湛水溝によるハダニ類、ハスモンヨトウ幼虫の侵入防止

タイトル 湛水溝によるハダニ類、ハスモンヨトウ幼虫の侵入防止
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 2001~2005
研究担当者 福嶋総子
井口雅裕
発行年度 2002
要約 施設の外周に湛水溝を設置するとハダニ類、ハスモンヨトウ幼虫の歩行侵入を抑制できる。
キーワード 湛水溝、ハダニ類、ハスモンヨトウ幼虫、歩行、侵入防止
背景・ねらい 野菜や花き栽培ではハダニ類やハスモンヨトウの発生とその被害が問題となっている。これらの防除にはこれまで主に化学農薬が用いられてきたが、近年、環境保全や省力生産の観点から新たな防除技術の開発が求められている。ハダニ類やハスモンヨトウ幼虫は周辺の寄主作物や雑草から歩行して施設内へ侵入することが知られている。そこで、キュウリやイチゴ栽培施設の外周に湛水溝を設置して、ハダニ類、ハスモンヨトウ幼虫の侵入防止効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
施設の外周にU字溝(幅18~28cm)を設置し、定植前から水を溜め、栽培期間中は水を切らさないよう管理する。
2.
湛水溝設置施設のキュウリ栽培ではカンザワハダニの初発生が遅く、発生も少ない(表1、2)。
3.
湛水溝設置施設ではハスモンヨトウ幼虫についても侵入抑制効果が高い(図1、表3)。
4.
以上のことより、施設外周への湛水溝の設置は、カンザワハダニ、ハスモンヨトウ幼虫の歩行侵入を防止する効果が高く、施設内の発生密度抑制につながる。
成果の活用面・留意点 1.
すでに排水用の溝が外周に設置されている施設では、排水口をふさぐだけで応用可能な場合がある。なお湛水溝を新たに設置する場合の資材(コンクリート製U形溝)費用は、10アールの施設で20万円程度必要である。
2.
湛水溝は施設野菜・花き類に広く活用できる。
3.
苗などに寄生したハダニ類を人為的に施設内に持ち込まないよう注意する。
4.
ハスモンヨトウ成虫の飛来侵入防止のため、側窓など開口部に目合い4mm以下の防虫ネットを被覆する。
5.
夏季では蒸発量が多いため、溝が干上がらないよう水を補給する必要がある。
6.
金魚、メダカを放流すると、発生したボウフラなどをエサとして成長し、湛水溝の衛生状態の悪化を防ぐとともに観賞用として楽しめる。
図表1 219355-1.gif
図表2 219355-2.gif
図表3 219355-3.gif
図表4 219355-4.gif
カテゴリ 病害虫 いちご きゅうり 栽培技術 雑草 農薬 防除

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