トマト黄化えそウイルスの植物体内における特性

タイトル トマト黄化えそウイルスの植物体内における特性
担当機関 高知県農業技術センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 森田泰彰
竹内繁治
川田洋一
発行年度 2002
要約 トマト黄化えそウイルスは、ピーマン等において25℃では速やかに増殖するが、植物体内において局在する。また、キクでは無病徴の挿し穂から伝染する場合がある。なお、ELISAによってウイルス検定をする場合、枯死葉をサンプルとして用いることは不適当である。
キーワード トマト黄化えそウイルス、局在性、検定法、枯死葉
背景・ねらい 本県においても発生が認められているトマト黄化えそウイルス(TSWV)は、寄主範囲の広さや伝染能力の強い媒介昆虫の分布拡大などから、今後も被害拡大の可能性が高い。また、キクでは挿し芽による伝染が疑われる場面も見られている。
そこで、TSWVの作物中における増殖の特性や、キクの無病徴の挿し穂による伝染性等を検討し、防除および診断のための参考とする。
成果の内容・特徴 1.
ピーマン等にTSWVを接種した場合、接種後25℃に置くと、接種葉で速やかにウイルスの増殖が起こり上位葉にも移行する。しかし、ウイルスの移行は全身に起こるのではなく植物体内で局在する。また、接種後15℃に置くとウイルスの増殖は緩慢で、上位葉への移行も認められない(表1)。
2.
キクの発病株から挿し芽をすると、挿し穂に病徴が認められていなくても子株がウイルスを保毒している場合が認められ、一部の株では発病後、枯死するものも見られる。なお、調査時期によりウイルスが検出できなくなる株が認められ、これらの株ではウイルスの濃度低下や局在化などにより潜在感染している可能性が考えられる(表2)。
3.
ウイルス検定をELISAにより行う場合、キクの枯死葉は保毒していなくても陽性を示す場合があることから検定試料としては不適当である(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
キクにおける無病徴株による伝染の可能性が示され、防除対策の参考とできる。
2.
植物体内でウイルスが局在化することや、枯死葉はELISAによるウイルス検定に不適当であることなどが明らかになり、現場での的確なウイルス診断のための参考とできる。
3.
TSWVが植物体内で局在することから、ウイルス検定を行う場合には1株から複数のサンプルを取って実施することが望ましい。
図表1 219366-1.gif
図表2 219366-2.gif
図表3 219366-3.gif
カテゴリ 病害虫 きく ピーマン 防除

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