タイトル | 促成トマトに対する緑肥(ギニアグラス)由来窒素の施肥効果 |
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担当機関 | 広島農技セ |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
國田丙午 伊藤純樹 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 促成トマトは緑肥をすき込むと、緑肥由来窒素をすき込み後1作目の第1段果房のピンポン玉肥大期から収穫開始期に最も多く吸収する。播種後30日および50日栽培した緑肥由来窒素は、促成トマト3作の合計でそれぞれ約60%および約30%吸収される。 |
キーワード | 促成トマト、緑肥、すき込み、緑肥由来窒素 |
背景・ねらい | 沿岸島しょ地域では地域内に有機質資源が乏しい。この地域おける促成トマトの作付け体系に、緑肥(イネ科牧草:ギニアグラス)を輪作利用するために、緑肥の施肥効果を明らかにし、減肥基準を作成する必要がある。そこで、重窒素で標識した緑肥を用いて、緑肥窒素のトマトにおける吸収特性をポットで明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 緑肥は、ギニアグラスの「ソイルクリーン」を用い7月上旬に播種し、重窒素を標識して、播種後30日と50日(出穂直前)すき込みの2処理とする。重窒素の標識緑肥は裁断後,トマト栽培土壌(マサ土とピートモスの混合土、土量:25L/株)にすき込んで腐熟させる。トマト「ハウス桃太郎」は10月下旬に定植する。 2. 緑肥による施肥窒素量を両処理ともトマト1株当たり約1gにすると、緑肥由来窒素の吸収率(緑肥に含まれる窒素量のうちトマトが吸収した割合)は、両処理ともピンポン玉肥大期から収穫開始期までが最も上昇する。また、播種後50日の緑肥では、播種後30日に比べてピンポン玉肥大期まではほぼ同率であるが、それ以降は著しく低く推移する(表1、図1)。 3. 緑肥に含まれる窒素量は、生育量の違いから播種後50日が30日の約4倍となる。このため、緑肥由来窒素量はトマト1株当たり播種後30日および50日の緑肥でそれぞれ1.4gおよび5.8gに相当する。トマトは緑肥をすき込んで1作目を、その後緑肥なしで2、3作目を作付けする(表2)。 4. 緑肥由来窒素は、両処理ともトマトに1作目で最も多く吸収され、次いで2作目、3作目の順である。緑肥由来窒素の吸収量は、播種後50日の緑肥が3作とも30日に比べて多い。また、緑肥由来窒素の吸収率は、播種後50日では1作目が30日に比べて著しく低く、2、3作目では同率となる(表3)。 5. トマト3作合計の緑肥由来窒素の吸収量は、播種後50日が株当たり1,619mg で30日の約2倍多い。しかし、吸収率は播種後50日が28%で、30日の約半分となる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 緑肥すき込み後の促成トマトにおける適切な施肥窒素管理に活用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | くり 栽培技術 施肥 トマト 播種 輪作 |