タイトル | 徳島県内における砂地畑土壌の理化学性の実態 |
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担当機関 | 徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所 |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
小川仁 梯美仁 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 瀬戸内海産の海砂を「手入れ砂」として使用している割合が高い里浦・大津地域では,土壌pHの高い圃場が多い。砂地畑全体で交換性カリウム含量が不足している圃場が多く,特に川内地域で不足している圃場が多い。里浦・大毛島地域の砂丘畑では0.25mm未満の微細な粒子の割合が高い。 |
キーワード | 徳島県,サツマイモ,砂地畑,手入れ砂,土壌理化学性 |
背景・ねらい | 徳島県特産のサツマイモが栽培されている約1,100haの砂地畑では,高品質栽培を維持するために「手入れ砂」と呼ばれる粗粒質の海砂を客土し,連作によって悪化した土壌中の通気性・排水性を改善しているが,近年その入手が困難になっている。従って「手入れ砂」の客土量を低減させる方法や,「手入れ砂」の代替策等が求められているが,そのためには,砂地畑土壌の実態を把握し,砂地畑個々の土壌条件に応じた対策を講じる必要がある。そこで砂地畑約400圃場を選定し,土壌の理化学性調査と「手入れ砂」客土状況の調査を行い実態を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 調査圃場をJAの管轄地域に区分すると,里浦・大津・松茂地域では,調査地点数の50~60%の圃場で土壌pHが7.5を越えており,特に里浦・大津地域では土壌pHが8.0を越える圃場が多い。一方,大毛島・川内地域では土壌pHが5.5未満の圃場が多い(図1,2)。 2. 土壌pHの高い圃場が多い里浦・大津地域では,瀬戸内海産の海砂を「手入れ砂」として使用している割合が高い(図2,3)。 3. 交換性カリウム含量は,砂地畑の県診断基準値(0.10~0.25g/kg)に満たない圃場が全体の62%の地点で見られ,特に川内地域で不足している圃場が多い(図1,2)。 4. 大毛島・里浦地域の砂丘畑は地下水位が低く圃場が乾きやすいことから,0.25mm未満の微細な粒子を多く管理しているものと思われる(図1,2,4)。 5. 「手入れ砂」や肥培管理の影響を受けやすい土壌化学性は,概ねJAの管轄地域毎に特性が認められ,砂の粒径組成は,圃場の来歴や乾湿条件によって特徴が異なる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高pH圃場では硫黄等のpH降下資材の散布,カリウム含量が不足している圃場では加里質肥料の積極的な施用等,地域特性に応じた適切な土壌管理を行う必要がある。 2. 0.25mm未満の微細な粒子の割合を測定することで,「手入れ砂」を客土する適当な時期や最低限必要な量を算出することができる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 排水性 肥培管理 |