タイトル | 畦畔イネ科雑草の効率的草刈り出穂抑制による斑点米軽減技術 |
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担当機関 | 滋賀県農総セ |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
寺本憲之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 畦畔の草刈りを稲の出穂期予想日3週間前頃と出穂期頃の2回行うことにより、畦畔のイネ科雑草の再出穂が抑制され、雑草穂と稲穂上での斑点米カメムシ類の発生密度が低下し、斑点米被害が軽減する。 |
キーワード | 斑点米、カメムシ類、畦畔、草刈り、イネ科雑草、雑草出穂抑制 |
背景・ねらい | 近年、カメムシ類による斑点米の被害が急増しているため、畦畔雑草の刈り払い方法が、イネ科雑草の出穂、斑点米カメムシ類の発生および斑点米被害に及ぼす影響を解明し、カメムシ類による斑点米の発生軽減のための畦畔雑草管理による耕種的防除技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 6月下旬以降での斑点米カメムシ類(ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、アカスジカスミカメが主要種)の寄生虫数が多い畦畔での主要イネ科草種は、ノビエ、エノコログサ類およびメヒシバ類である(数値略)。 2. 主要雑草3草種の出穂始めは6月下旬~7月中旬と畦畔によって一定ではないが、出穂数の増加時期は7月中旬以降である(数値略)。 3. イネ科雑草の主要草種は刈り払い3週間前後から再出穂する(図1)。 4. 稲出穂期予想日3週間前頃と稲出穂期頃の2回草刈り区では、稲出穂期3週間前頃の1回草刈り区と比較して、畦畔上のイネ科雑草の出穂が稲出穂期前後の6週間にわたり抑制され、畦畔上と水田内の斑点米カメムシ類の発生が少なくなる(図2・3)。 5. 以上のことから、畦畔草刈りを稲の出穂3週間前頃と出穂期頃の2回行うと、1回目の草刈りによって稲出穂前までの雑草出穂数を抑制して畦畔上のカメムシ類の密度を低減させ、2回目の草刈りによって稲の出穂後3週間程度、畦畔雑草の出穂を抑制させることにより、水田内のカメムシ類の累積発生虫数が減少し、斑点米の発生が軽減する(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 集落単位で広域に一斉草刈りを行うとカメムシ類による斑点米被害軽減効果が高い。 2. 本成果は、2000~2002年度の3年間にわたって、同様な結果を得た。 3. 地域でのカメムシ類の主要構成種や畦畔上の寄主植物の違いにより、効果に変動がある可能性がある。特に、発生主要種に穂への依存性がやや低い、アカヒゲミドリカスミカメが含まれる地域では効果の確認を要する。 4. キンエノコロは草刈り後の再出穂がやや早い。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 アカスジカスミカメ カメムシ 雑草 水田 斑点米 斑点米カメムシ 防除 |