タイトル | 野生イノシシのテレメトリー調査にかかる発信器の新装着法 |
---|---|
担当機関 | 滋賀県農総セ |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
上田栄一 常喜弘充 山中成元 寺本憲之 谷 浩(畜技セ) 林 重行 大澤宏史 月森 大 佐野敬次 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 捕獲イノシシの上顎と四脚を豚保定器で固定して発信器を装着する方法は、麻酔による方法より簡便で放獣後の死亡率も低い。 |
キーワード | 野生イノシシ、発信器、豚保定器、固定装着 |
背景・ねらい | 野生イノシシによる農作物被害を防止する一環として、その地域に生息するイノシシの生態を知ることは重要である。一般にイノシシのテレメトリ-調査を行うには、捕獲したイノシシを麻酔により眠らせた後、発信器を装着する方法が用いられている。しかし、発信器の装着はイノシシの体力を消耗させないよう短時間で行う必要があり、麻酔を行う際には、体重、性差、興奮度、気温等により適正に処理することが求められ、熟練した技術を要する。そこで、麻酔に頼らない簡便な発信器の装着方法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本装着方法は、檻外から豚保定器を上顎と四脚にかけてイノシシが動けないように固定した後、檻内で発信器を装着する(図1、2)。 2. 本方法により、装着に要する時間は麻酔を使用する慣行法に比較して約1/5に短 縮される(図3)。 3. 本方法によって放獣したイノシシの生存率は高い(図4)。 4. 以上の結果より、新しい装着方法では麻酔を使用せず、短時間で安全に発信器をイノシシに装着することができる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本方法は豚保定器を利用した装着法である。 2. 捕獲檻は成イノシシと発信器を装着する者が一人入れるくらいの大きさを使用すると装着がしやすい。 3. イノシシは檻内で暴れて傷を負うことが多いため、放獣前にペニシリンを注射して化膿を予防する。 4. 放獣する際には、イノシシの逃亡経路に立たないようにしたり、イノシシが扉に向きを変えたときに扉を開け、まっすぐ森の方向へ帰れるようにする等、人身事故がないように注意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 豚 |