タイトル | 少量土壌培地耕による高設栽培イチゴの薬液散布装置 |
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担当機関 | 滋賀県農業総合センター |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
中橋富久 中村嘉孝 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 左右対のフレキシブル管に円錐ノズルを取り付けた散布部と、これを支える車輪部により構成される薬液散布装置は、少量土壌培地耕による高設栽培イチゴの防除作業を省力化でき、散布薬液量を削減することができる。 |
キーワード | イチゴ、少量土壌培地耕、高設栽培、薬液散布 |
背景・ねらい | イチゴ栽培は、少量土壌培地耕による高設栽培の普及とともに作業姿勢などの改善が図られてきたが、防除作業は、単頭または環状ノズルによる手散布が一般的で、労力を要し、薬液の目的外飛散も多い。そこで、通路両側の栽培床を同時に散布することができる装置を試作し、防除作業の省力化とともに散布薬液量の削減について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本散布装置は、左右対のノズル管に円錐ノズルを左右3個ずつ取り付けた散布部と、これを支える車輪部により構成される(図1)。 2. 散布部のノズル管は、長さ20mmのパーツを連結した樹脂製フレキシブル管で、イチゴの生育量にあわせて、その長さを調節でき、適切な位置にノズルを設定できる(図1)。 3. 散布作業前に、上段のノズルはイチゴの草丈位置に、中段のノズルはイチゴの株元高さに設定し、それぞれ噴霧角度は水平にする。また、下段のノズルは、果実を下方から散布できるように設定する(図1)。 4. 散布作業者は、本散布装置に取り付けた散布竿を持ち、後進しながら散布することにより、薬液の被曝を軽減することができる。 5. 本散布装置による薬液の付着度は、慣行の環状ノズルと同程度であり、散布ムラも問題が認められない(表1)。 6. 本散布装置は、1時間当たり8.4aの散布作業が可能で、慣行の環状ノズルの約1.3倍の能率である。また、散布薬液量は、50MPaの噴霧圧で散布した場合、慣行の環状ノズルに比べ約3割削減できる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 噴霧圧を80MPa以上に高めると、フレキシブル管の連結部がはずれるため、散布時の適正噴霧圧は、30~50MPaである。 2. 試作ノズルを作製するための材料費は、約14,000円を要する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 いちご 省力化 防除 |