タイトル | イチゴ高設栽培における排液処理装置 |
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担当機関 | 岡山農総セ農試 |
研究期間 | 1997~2004 |
研究担当者 |
岡修一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | イチゴのかけ流し式高設栽培で排出される排液中の硝酸態窒素を簡易に処理できる装置を開発した。この装置では、ロックウールキューブを入れた排液処理漕に水田土壌の投入により脱窒菌を着生させ、脱窒に必要な炭素源としてメタノールを添加し、冬期は加温することによって脱窒する。 |
キーワード | イチゴ、高設栽培、硝酸態窒素、脱窒菌、排液処理装置 |
背景・ねらい | かけ流し式栽培においては、給液における肥培管理等が簡易であるが、肥料分を含んだ排液を10a当たり日平均排出量700~1400L排出するため、環境負荷が懸念される。このため、簡易な排液処理装置を試作し、硝酸態窒素の処理能力を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 装置:処理漕は100Lタンク4個(10aでは200Lタンク8個)をつなぎ合わせて用いる。脱窒に必要な炭素源にはメタノールを用い、タイマーとポンプで添加する。水田土壌約1Lを不織布で覆い各タンクに投入する。脱窒菌の着生する場所として、ロックウールキューブ(使用済み)を入れ、繊維の流亡を避けるために不織布で覆う。厳寒期に水温を上げるため、ヒーター(200W)2個を処理漕に入れる(図1)。10a当たりの装置作成コストは、約8万5千円である(表1)。 2. 性能:無処理排液中の硝酸態窒素濃度は10~55ppmで推移したが、処理排液中の硝酸態窒素濃度は10ppm以下で推移した(図2)。 3. 処理温度は5~25℃の範囲では高い方が良く、25℃で処理すれば24時間以内に硝酸態窒素を200ppmから1ppm以下に低減できる(図3)。処理終了時の養液中アンモニア態窒素及び亜硝酸態窒素濃度は極めて低かった。 4. 以上のことから、イチゴ高設栽培であれば1a当たり400Lの排液処理装置で、排液中の硝酸態窒素濃度を10ppm以下に低下できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. メタノール添加量は、さらに検討が必要である。 2. リン酸は除去できない。 3. 栽培規模が拡大した場合、排液処理用タンク容量の検討が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 いちご コスト 水田 肥培管理 |