タイトル | 花壇苗の鉢上げ後3週間遠色光域抑制フィルム処理による徒長防止技術 |
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担当機関 | 京都農総研 |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
土橋豊 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 夏出荷花壇苗(サルビア、ニーレンベルギア、ビンカ、マリーゴールド)及び秋出荷パンジーにおいて、鉢上げから3週間遠赤色光域抑制フィルム下で管理すると、十分な徒長防止効果が認められ、わい化剤代替技術となりうる。 |
キーワード | 遠赤色光域抑制フィルム、花壇苗、徒長防止、わい化剤代替技術 |
背景・ねらい | 大半の花壇苗には、登録されたわい化剤がないため、わい化剤代替技術の確立が求められている。赤色光(R:波長域600から700nm)と遠赤色光(FR:波長域700から800nm)のスペクトルの光強度の比率(R/FR)が自然光環境(R/FR=1.1から1.2)より高くなると、伸長成長が抑制されることが知られ、遠赤色光域抑制フィルムによる徒長防止技術の確立に期待が高まっている。しかしながら、同フィルムは一般の農業用フィルムに比べ割高で、しかも色素劣化による光質の変化に対応するため1年に1回フィルム交換を行う必要がある。そこで、フィルム展張面積を少なくするための、処理時期・期間の検討を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. サルビアでは、鉢上げから出荷想定期まで遠赤色光域抑制フィルム処理すると最も草丈が低くなるが(表1)、これは開花遅延のために花序部が立ち上がらなかったためで、鉢上げから3週間処理でも十分草丈が低くなる。 2. ニーレンベルギア、ビンカ、マリーゴールドでは、鉢上げから3週間遠赤色光域抑制フィルム下で管理すると十分草丈が低くなる(表1)。 3. 秋出荷パンジーでは、草丈及び出荷時の荷痛みに影響する花柄長が、鉢上げから3週間処理により最も短くなる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. M社製遠赤色光域抑制フィルム(R/FR=1.43、P=2.37、可視光透過率75.8%、厚さ0.05mm)を使用した。 2. 同フィルムは近日中に試験販売されるが、製造毎にR/FR値、P値、透過率が異なる。 3. 秋出荷パンジーでは、光量が減少する生育後期に処理を行う鉢上げ3週間後から出荷想定期、鉢上げから出荷想定期に処理をすると、遮光効果が現れ、徒長するので注意する。 4. 実際の生産場面においては、鉢上げから3週間のみ遠赤色光域抑制フィルム下で管理するだけで効果があるので、処理後にポット間隔を広げながら一般農業フィルム下へ移動させるとよく、ハウス全体に同フィルムを展張しなくても小面積処理が可能で、低コスト化が図れる。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | サルビア 出荷調整 低コスト ニーレンベルギア パンジー マリーゴールド わい化 |