シンテッポウユリの発芽促進処理とセル成型育苗技術

タイトル シンテッポウユリの発芽促進処理とセル成型育苗技術
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 石川順也
岩井豊通
和田修
発行年度 2002
要約 シンテッポウユリ種子の発芽勢は湿潤冷蔵処理(5℃、3週間)と種子の翼の除去処理の組み合わせにより著しく高まる。また、市販の野菜用培養土にマサ土を10%添加することで根鉢が堅くなり、機械定植に適応したセル成型苗を得ることができる。
キーワード シンテッポウユリ、セル成型育苗、発芽促進処理、根鉢形成率
背景・ねらい シンテッポウユリ苗の定植作業は一般に手作業で行われており、10a当たりの所要時間が224時間と長く、省力化が望まれている。機械定植を導入するには、現在主流である床育苗からセル成型育苗に移行しなければならない。そのためにはシンテッポユリ種子の発芽促進技術や機械定植に適応できるセル成型育苗技術の開発が必要となる。
成果の内容・特徴 1.
湿らせたろ紙の上で5℃、3週間の処理(湿潤冷蔵)を行った種子は、乾燥状態で処理したものに比べて、発芽開始が7日早くなる。また、種子の翼の除去は発芽勢を高め、湿潤冷蔵処理と組み合わせると、乾燥冷蔵で翼を除去しないものに比べて、発芽率80%到達日数が14日早くなる(図1)。
2.
市販の野菜培養土(ナプラS)を用いたセル成型育苗では施肥量が多いほど生体重が大きくなるが、培養土1l当たりの合計窒素量が300mgでは草丈が10cmを越え、軟弱徒長となる。追肥の効果は定植時の葉色に現れ、順調に生育中期へ誘導することができる。用土の含有窒素量が元肥窒素150mg/lになるように調整し、後に追肥として100mgl添加(合計250mg/l)することによって良質な苗を生産することができる(表1)。
3.
定植機の植付精度を向上させるためにはセル成型苗に高い根鉢形成率が要求される。ナプラSを用いた場合、用土にマサ土1割を添加することで苗質に影響を与えることなく根鉢形成率を向上させることができる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
播種する種子は有胚種子に選別されていることが前提条件となる。
2.
マサ土の添加割合が10%以上になると、育苗用土の排水性が損なわれ、苗の生育に影響を及ぼすことがある。
図表1 219451-1.gif
図表2 219451-2.gif
図表3 219451-3.gif
カテゴリ 育苗 乾燥 栽培技術 省力化 施肥 排水性 播種 ゆり

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