タイトル | カーネーションの養液土耕による据え置き(2年切り)栽培 |
---|---|
担当機関 | 環境 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
山中正仁 宇田 明 小河 甲 |
発行年度 | 2002 |
要約 | カーネーションを養液土耕で1年間栽培した後、株を切り戻して2年目も使う据え置き(2年切り)栽培の2年目の収量は、改植(1年切り)栽培にくらべて、6%増加する。種苗費は50%、改植にともなう労力は70%軽減される。 |
キーワード | カーネーション、養液土耕、据え置き栽培 |
背景・ねらい | カーネーション栽培において、資材費に占める種苗費は約45%で最も高く、経営の大きな負担になっている。そこで種苗費の削減と改植労力の軽減を目的に、1年間栽培した株を切り戻して2年目も使う据え置き(2年切り)栽培技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 1日当たりの給液量を1.5~5.0liter・m-2(ベンチ面積)で、給液濃度を窒素が100~180ppm、リン酸が53~96ppm、加里が107~192ppmの範囲で時期により変化させて毎日給液した養液土耕と、その同じ濃度で1週間分の量を毎週2回に分けて与えた液肥栽培(以下、慣行栽培)による据え置き栽培を比較すると、2年目の収量は養液土耕が約15%増加する(表1)。切り花品質に差はない(表2)。 2. 据え置きと改植を比較すると養液土耕では据え置きの収量が改植より6%増加するが、慣行栽培では4%減少する(表1)。養液土耕、慣行栽培ともに据え置きでは切り花長、切り花重が小さくなるが、その差は養液土耕で小さい(表2)ので、据え置き栽培では養液土耕の方が有利である。 3. 据え置き栽培では年間当たりの種苗費は半分となる。2年目の労力は前作の片づけおよび土壌消毒などの定植準備および定植作業が省かれる。切り戻し作業が加わっても、6~7月の労力は70%軽減される。さらに、養液土耕により、かん水施肥が自動化されるため、栽培管理にかかる総労力(収穫、出荷を除く)は約60%になる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 据え置き栽培は1年間栽培した株を7月に緑色の葉が残るように、高さ30cmで切り戻す。 2. 切り戻し後は萎凋病や立枯病防止のため殺菌剤を散布する。 3. 据え置き栽培に適した品種の選定、切り花品質向上のための仕立て方法の検討が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | カーネーション 改植 経営管理 栽培技術 出荷調整 施肥 立枯病 土壌消毒 品種 |