タイトル | 平坦地におけるミカン若木移植時の防根シートは結実・品質安定に有効 |
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担当機関 | 山口大島柑きつ試 |
研究期間 | 1995~2002 |
研究担当者 |
岡崎芳夫 宮田明義 棟居信一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水田転換園での若木移植時に、部分根域制限処理として防根シートを埋設することにより、樹冠の拡大が抑制されるとともに連年結果性と果実品質が向上する。 |
キーワード | ウンシュウミカン、移植、防根シート、根域制限 |
背景・ねらい | ウンシュウミカン産地では、高齢化に伴って傾斜地園が減少し、高品質果実の生産に不適な水田転換園を主とした平坦地の占める割合が増加している。一方、平成3年の19号台風被害により改植された苗木はすでに密植状態になっており、間伐の推進とともにこれらの有効利用による早期高品質化技術が求められている。そのため、水田転換園に若木を移植する時に、植え穴の底部に防根シ-トを埋設する部分根域制限を行うことによって、樹冠拡大の抑制および果実の品質向上を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 深さ30~60cmの防根シ-ト(幅:2×2m、厚さ:1.2mm)埋設処理(図1)は隔年結果を減少させる。深さ30cmの防根シート埋設処理では樹冠の拡大が抑制され(図2)、1樹当たりの収量は無処理や60cm埋設処理に比べて減少するが、単位樹冠容積当たりの収量は多い(表1)。 2. 防根シ-ト埋設処理によって糖度およびML級果率が高くなり、品質向上効果が得られる(表2)。 3. 以上の結果のとおり、若木移植時における植え穴への防根シート埋設は、水田転換園等平坦地での早期高品質化および隔年結果軽減技術として有効である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 樹勢が強くなりやすい園地条件のウンシュウミカンに適応できる。 2. 防根シートの大きさは10~15年生程度の移植では2×2m程度、埋設の深さは30~40cmとする。このとき、防根シート上での停滞水を防ぐために、植え穴の中央部をやや高くしてシ-トを敷設する。 3. 防根シートには、破損や根の貫通を防ぐため、ブチルシート等の耐久性の高い資材を用いる。 4. 更なる品質向上のために溝上げ畝立ておよびシートマルチ栽培との組合せが望ましい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 温州みかん 改植 傾斜地 水田転換園 |