タイトル | ハウスミカンの遮光処理による着色促進と収穫作業の軽労化 |
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担当機関 | 環境担当 |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
山下泰生 森末文徳 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ハウスミカン栽培において、2~3分着色期から50~55%遮光を行うことにより、高温を抑制し、果実の着色は良好となり、収穫作業は快適化される。さらに、フルオープン型ハウスの天部に遮光資材を巻き取り開閉方式で設置することにより展張作業の省力化が図られる。 |
キーワード | ハウスミカン、遮光、収穫、軽労化、着色促進 |
背景・ねらい | ハウスミカンの成熟~収穫期は夏季にあたるため、ハウス内の高温による着色遅延と過酷な作業条件が問題となっている。そこで、遮光処理を行うことでハウス内温度を下げ、果実の着色促進及び収穫作業の快適化を図る。さらに、フルオープン型ハウスの天部に、ビニール巻き上げ器を利用して遮光資材を設置することにより展張作業の省力化を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 2~3分着色期から収穫期まで、ハウス天部を遮光率50~55%の白色不織布折り込みネットで遮光することで、着色が促進される。収穫時の着色は約1分良好となり、果皮の紅色は濃くなり、果実品質への影響はない(表1)。 2. 遮光により、収穫時のハウス内温度は約6℃低下する。収穫作業者の体表面放射温度は約2℃低くなり、作業は快適になる(表2)。 3. フルオープン型ハウスの天部に、遮光資材をビニール巻き上げ器を利用した巻き取り開閉方式で設置することにより、展張及び収納作業は、パッカー固定によるべたがけ方式に比べてのべ作業時間で約1/25となり、大幅に省力化される。また、被覆資材に複数年利用可能なPO系フィルムを使用することで、遮光資材の設置作業も省力化できる(表3、図1、2)。 4. べたがけ方式から巻き取り開閉方式への改良にかかる資材費は、遮光資材を除いて10a当たり約10万円である(データ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 2~3分着色期より早い時期からの遮光は、当該年の果実肥大抑制や次年度の着花量減少を招くので行わない。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
カテゴリ | 軽労化 省力化 着色促進 |