単為結果性ととげなし性を併せ持つ促成栽培用ナス新品種「試交05-3」

タイトル 単為結果性ととげなし性を併せ持つ促成栽培用ナス新品種「試交05-3」
担当機関 愛知農総試
研究期間 2002~2008
研究担当者 吉田建実(野茶研)
久野哲志
穴井尚子
佐藤隆徳(野茶研)
斎藤 新(野茶研)
榊原政弘
山下文秋
山田朋宏(野茶研)
松永 啓(野茶研)
田中哲司
番 喜宏
矢部和則
齊藤猛雄(野茶研)
発行年度 2008
要約 単為結果性ととげなし性を併せ持つナス新品種「試交05-3」は、年内収量、上物率、果実形質(果皮の光沢、日持ち性)に優れ、適応作型は促成栽培である。
キーワード ナス、新品種、単為結果性、とげなし性、促成栽培
背景・ねらい 愛知県のナス栽培は、9月に定植し、10月~6月まで収穫する促成栽培が主力作型である。促成栽培の労働時間は10a当たり1,860時間と他の作目に比べて長く、ナスのとげは作業を行う上で肉体的・精神的負担となっており、ナス生産農家からは作業の省力化と快適化が求められている。そこで、労働時間の15%を占める作業を省ける単為結果性と、とげの全く発生しないとげなし性を併せ持つ新品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「試交05-3」は次の2系統の単交雑により育成された一代雑種である。種子親には、単為結果性品種「Talina」と本県育成の「とげなし紺美」の親系統‘ASL-2’を平成14年に交配し、その交雑後代から選抜した‘PASL-13’を用いる。花粉親には、野菜茶業研究所育成の単為結果性系統‘AE-P08’と「とげなし紺美」親系統‘ASL-3’を平成14年に交配し、その交雑後代から選抜した‘PASL-2’を用いる(図1)。
  2. 「試交05-3」は、年内の可販果収量が「とげなし紺美」とほぼ同等で、「千両」より多い。また、上物率は「とげなし紺美」や「千両」より高い(表1)。
  3. 「試交05-3」は、「とげなし紺美」や「千両」に比べて、果皮硬度は高く、アントシアン吸光度はやや低い。また、日持ち性は高く、果皮の光沢度も良好である(表2)。
  4. 「試交05-3」は、果実形質は良好で、その適応作型は促成栽培である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 「試交05-3」は、株が立性であるため、主枝の誘引を開きぎみにする。また、「千両」に比べ、節間が長く葉も大葉になりやすいため、育苗時および定植後の初期生育は抑えぎみにする。
  2. 定植後から10月下旬までと5月以降の高温期には、単為結果性が不安定な傾向があるため、この間は着果促進処理(植物ホルモン剤処理または訪花昆虫の放飼)を行う。
  3. 種子の販売は全国を対象とする。
図表1 218869-1.jpg
図表2 218869-2.gif
図表3 218869-3.gif
図表4 218869-4.gif
カテゴリ 育苗 栽培技術 省力化 新品種 単為結果 なす 品種

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