タイトル | 落果防止剤による晩生ナシ「王秋」の後期落果防止法 |
---|---|
担当機関 | 鳥取園試 |
研究期間 | 2000~2004 |
研究担当者 |
北川健一 池田隆政 村田謙司**現在 鳥取県農林水産部農政課 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ニホンナシの晩生品種「王秋」は収穫期に落果しやすい特性を持つが、ジクロルプロップ液剤の散布により、後期落果を有効に防止することができる。 |
キーワード | ニホンナシ、「王秋」、後期落果、落果防止剤 |
背景・ねらい | 2000年に品種登録された晩生の赤ナシ新品種「王秋」は、個性的な果形(紡錘形)を有し、食味が優れ豊産性であることから、本県の生産者の関心が高く、新植、高接ぎによる増産が図られつつある。 しかし、「王秋」は大果、果梗が長い、後期落果が認められる等、落果防止対策が必須な品種である。 特に、栽培上の問題点として収穫期の落果が多いことから、落果防止対策技術が必要である。 そこで、既存の落果防止剤による収穫後期落果の防止効果について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 8年生樹(1999年)と9年生樹(2000年)の「王秋」を用いて、ジクロルプロップ液剤(ストッポール液剤(R))の効果について検討した。2本主枝仕立ての3樹に対して、片側主枝全体にジクロルプロップ液剤の3000倍液を、1樹あたり20リットル散布した(収穫開始前25日)。もう一方の主枝を対照区として、落果の発生程度を比較した。 2. ジクロルプロップ液剤3000倍散布処理により「王秋」の収穫後期の落果を防ぐことができる(表1、図1)。 3. ジクロルプロップ液剤散布区と無散布区の果実品質には差がなく、ともにみつ症や心腐れ等の果実障害の発生は認められない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 防風網の設置、パイプ等による棚の補強・強化さらに落果防止剤の散布を組み合わせて栽培を行う必要がある。 2. ジクロルプロップ液剤の使用に当たっては農薬登録の要件を順守すること。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 果実障害 新品種 高接ぎ 農薬 品種 良食味 |