タイトル | 不織布ポットを利用した堀り上げ容易なモモ大苗育成法 |
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担当機関 | 和歌山農林水総技セ |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
守本裕美子 和中 学 米本仁巳 小沢良和 山内 勧 北野欣信 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 不織布ポットでモモ1年生苗を2年間育苗した場合、掘り上げ作業が短縮、簡便となり、細根が多く、定植後2年目には結実させることが可能な大苗を育成することができる。 |
キーワード | 改植、根域制限、早期成園化、不織布、モモ |
背景・ねらい | モモは他の果樹に比べ経済樹齢が短いが、連作障害が激しく、また改植した場合数年間は収穫することができないため、改植が進まない現状となっている。産地ではあらかじめ苗ほで数年間育成した苗木を連作園地に植え付ける事例も見られるが、掘り上げ作業に多大な労力を要する。そこで掘り上げ作業が容易な優良苗の育成方法を確立するため、不織布を用いた育苗ポットで2年間育成した苗の連作ほ場への定植を試みた。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「白鳳」1年生苗を表1に示した不織布ポットで2年間育成した大苗は、ほ場で育成した地植え苗に比べて掘り上げ時間が60~86%短縮できる(表2)。 2. 不織布ポットによる育成大苗は、ほ場で育成した地植え苗に比べて細根量の多い苗が育成できる(表3)。 3. 定植時、定植後1年後の主枝長と幹周にはポット容量・種類により差が見られるが、定植後2年目の生育は、ほ場で育成した地植え苗と比べ大きな差が見られない(表4)。また定植後2年目にはほ場で育成した地植え苗と同程度の収量が得られる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 不織布ポットは下部15cmを地中に埋設して管理したが、乾燥しやすいのでかん水に注意が必要である。 2. 不織布ポットの容量・種類は、定植2年後の生育にポット容量・種類による差が見られず、また掘り上げ時間はポットの容量が小さいほど少なくなるため、小容量の底部貫根性ポット、あるいは完全遮根性ポットでよい。 3. 連作ほ場定植翌年は樹体の生育を図るため、全摘蕾を実施して結実させない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育苗 改植 乾燥 栽培技術 早期成園化 もも 連作障害 |