カキ「太秋」の主幹形整枝隔年交互結実による雌花の安定確保と省力生産

タイトル カキ「太秋」の主幹形整枝隔年交互結実による雌花の安定確保と省力生産
担当機関 和歌山農林水技セ
研究期間 1999~2002
研究担当者 川尾尚史
山内 勧
北野欣信
発行年度 2002
要約 カキ「太秋」は強い切り返しせん定を行い、翌年(遊休年)に強い結果母枝を確保することにより、2年に1回ではあるが雌花が安定的に確保できる。また、本栽培法は冬期せん定が簡単、人工受粉が不要など省力的である。
キーワード カキ「太秋」、隔年交互結実、切り返しせん定、雌花、省力化
背景・ねらい カキ「太秋」は大果で食味が優れ、消費者にも人気の高い品種であるが、樹勢が低下しやすく、樹勢の低下とともに雌花が減少(雄花が増加)するため、収量も低下しやすい。そこで、安定的に雌花が確保でき、かつ省力・軽労的な栽培方法を検討する。
成果の内容・特徴 1.
連年結実では樹勢の低下が速く、年々雌花着生新梢数の割合が低下するとともに、初結実から数年で収量が減少に転じる。一方隔年交互結実では、2年に1回ではあるが雌花着生新梢数が安定的に確保され、収量も安定する(表1)。
2.
雌花の安定確保には前年に雌花が着生、あるいは花が着生しなかった長い(太い)結果母枝を多く確保することが重要である。
3.
遊休樹のせん定は、冬期に側枝単位で基部2芽を残す切り返しせん定を行い、翌春の花芽の雌雄が判別できた時期(概ね4月上・中旬)に、再度雄花着生枝をせん除する。こうすることにより、不定芽からの新梢が多くなるとともに長い結果母枝が多く確保できる(図1、2)。
4.
二次伸長により新梢伸長停止が遅れた(概ね8月以降)場合、二次伸長部からの新梢には花芽が着生しない。
5.
着果管理面では、人工受粉を行わなくても生理落果しない。また、人工受粉を省略することにより、果実肥大はやや劣るものの、ヘタスキや汚損(条紋タイプ)および果頂裂果が軽減され、秀品率が向上する(表2)。
6.
樹冠内の果実品質のバラツキが小さく収穫期間も短くなる。また、結果母枝の長さや太さは果実品質に影響しない。
成果の活用面・留意点 1.
「太秋」の産地普及に活用。
2.
園地別交互結実により、遊休年の薬剤散布が削減できる。
3.
栽植密度は4m×2m(125本/10a)が適当と思われるが、園地条件や導入機械等を考慮して決定する。
4.
反射マルチと摘葉処理により果皮色向上および汚損果軽減効果が期待できる。
図表1 219494-1.gif
図表2 219494-2.gif
図表3 219494-3.gif
図表4 219494-4.gif
カテゴリ かき 受粉 省力化 品種 薬剤 良食味

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