タイトル | 黒毛和種未経産牛からの連続採胚と採胚後の早期受胎 |
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担当機関 | 京都碇高総牧 |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
安達善則 森 一憲 櫻田孝之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 黒毛和種未経産牛を用いた連続採胚は、優良牛を効率的に活用する手段として、有効であると考えられる。さらに、採胚後の初回発情は半数以上の牛で6~8日目に観察されることから、7日前後に重点を置いて発情観察を行うことにより、より早期の受胎が可能であると考えられる。 |
キーワード | 黒毛和種、未経産牛、採胚、早期受胎 |
背景・ねらい | 繁殖基礎牛の生産拡大を図る目的で、黒毛和種未経産牛を用いた連続採胚による効率的な胚生産のための、採胚間隔、採胚回数、および採胚後の早期受胎技術について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 黒毛和種未経産牛を供試し、35日間隔3連続採胚(2001年度実施:n=7)及び28日間隔2連続採胚(2002年度実施:n=7)を行う。1回目採胚は自然発情を基準に、10日目から過剰排卵処理(SOV)を開始する。SOVは卵胞刺激ホルモン(FSH)を計15AU、3日間の漸減投与法で行う。35日間隔の、2、3回目の採胚は、SOV前10日目からCIDRを使用する(図1)。採胚後は受胎防止のためPGを投与する。 1. 供試牛の採胚開始時の状況は、35日間隔が月齢17.0±0.5か月、体重367.4±14.9kg、体高120.2±2.7cm、28日間隔では、月齢15.7±1.8か月、体重345.4±14.8kg、体高121.0±1.7cmとなり、全頭が標準的な発育である。 2. 採胚成績は、35日間隔では3回目で低下し、28日間隔では2回目で若干低下する(表1)。 3. 各採胚後の初回発情は、約半数の牛で採胚後6~8日に確認される。このことから、発情観察を採胚後7日前後に重点を置いて行うことが早期受胎のポイントであると考えられる(表2)。 4. 35日、28日間隔とも採胚後、約1ヶ月で全頭が受胎し、AI回数はともに1.6±0.8回である(表3)。 5. 本技術は、府内農家に普及している。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 35日間隔の1頭が直腸を傷つけ採胚を中止したことから、未経産牛の採胚開始時期は月齢や体型による評価に加え、直腸腔の容積、骨盤腔内での操作性を考慮して決定するべきであると考えられる。 2. 未経産牛の35日間隔の連続採胚は、CIDRを用いることで、実施することが可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 生産拡大 繁殖性改善 |