梅酒漬け梅の飼料へのリサイクルによる大阪ウメビ−フの開発

タイトル 梅酒漬け梅の飼料へのリサイクルによる大阪ウメビ−フの開発
担当機関 大阪食とみどり技セ
研究期間 2000~2002
研究担当者 崎元道男
西村和彦
石塚譲
大谷新太郎
藤谷泰裕
発行年度 2002
要約 資源循環型社会の確立を目指して、梅酒工場から排出される漬け梅を、肉用牛の飼料へリサイクルして大阪ウメビーフを開発した。給与牛は、増体量が大きく肉質も高い評価を得、生産農家、消費者の関心も高く、大阪ウメビーフのブランド化を進めている。
キーワード 畜産物、品質、肉用牛、梅酒漬け梅、リサイクル、大阪ウメビーフ、ブランド化
背景・ねらい 全国梅酒生産の7割が大阪の南河内地域で占められており、醸造後の漬け梅が6,300トンも排出されている。食品副原料への再利用も行なわれているが、ほとんど廃棄(産廃業者へ委託)されている。
一方、大阪府内の肥育牛農家においては、素牛、飼料とも大半を府外から導入しており、生産コスト削減のため食品製造副産物等を利用しているが、経験的に安易に副産物を使用しているために良質の牛肉生産ができていない。
そこで、地元で排出されている梅酒漬け梅を牛用の飼料へ、リサイクル利用して肥育牛経営の活性化を図る。
成果の内容・特徴 1.
漬け梅(乾物NDF42.6%)の添加により飼料全体のNDF値が上昇する(表1)。
2.
漬け梅(水分59.2%)を原物で1日平均1kg以上給与すると、飼料摂取量、飼料効率、及び増体が改善する(表2)。
3.
BMSについては、一般的な飼料を給与した対照区に比べて脂肪交雑が上昇する(表3)。
4.
漬け梅給与により、第一胃内総揮発性脂肪酸の発生量には悪影響はみられず、血中コレステロール濃度が有意に上昇する(表4)。
5.
給飼期間中、対照区では食欲不振、下痢等を発症し治療を要したものがあったが、今試験における漬け梅区では食欲不振、下痢などは観察していない。
6.
官能検査では、「やわらかい」、「ジューシー」、「脂肪があっさりしている」との評価である。
成果の活用面・留意点 1.
肥育農家によるウメビーフの生産と販売を行い、牛肉の差別化、ブランド化を推進(生産者組合、専門販売店組合の設立)している。
2.
食の安全・安心の確保のための直販などの新しい食肉流通の可能性がある。
3.
漬け梅を原物で一日3kg以上給与すると肝機能(GPT)に影響がみられるので注意する(未発表)。
図表1 219506-1.gif
図表2 219506-2.gif
図表3 219506-3.gif
図表4 219506-4.gif
カテゴリ うめ 経営管理 コスト 飼料効率 肉牛

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