タイトル | 肥育豚への高デンプン飼料の給与が肉質に及ぼす影響 |
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担当機関 | 兵庫農総セ |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
岩本英治 設楽 修 和田政夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 肥育後期への高デンプン・低蛋白・低脂肪飼料及び配合飼料の50%をパンくずで代替した高デンプン飼料の給与は、肥育期間は延長するが、胸最長筋中の粗脂肪含量(脂肪交雑)は増加する。 |
キーワード | 粗脂肪含量、デンプン飼料、パンくず、肥育豚 |
背景・ねらい | 近年、「豚トロ」と呼ばれる脂肪交雑の多い豚肉が珍重され、豚肉に対する消費者の嗜好は牛肉と同様に霜降り肉へ変化してきている。また、養豚農家からは輸入豚肉に対抗する高品質豚肉の生産技術の開発が強く求められている。そこで、肥育期間中の高デンプン飼料の給与が発育と肉質に及ぼす影響を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 試験は減圧乾燥法により、水分含量10%以下に乾燥した酒米粉(TDN:73.5%、CP:10.0%、EE:0.9%、NFE:77.6%)及びパンくず(TDN:89.8%、CP:14.0%、EE:3.4%、NFE:72.4%)を用い、表1に示す試験区分により行う。 2. 1日平均増体量は試験区が対照区に比べて少なく、出荷(体重110kg)までの肥育期間が延長し、1区と対照区との間に有意な差が認められる(表2)。 3. 胸最長筋の水分含量は4区が他の区に比べて有意に少なく、粗蛋白質含量は4区及び1区が対照区に比べて有意に少ない。粗脂肪含量は4区及び1区が対照区に比べて有意に多い。また、加熱胸最長筋のテクスチャー及び剪断価は各区に有意な差は見られない(表3)。 4. 皮下脂肪内層の脂肪酸組成はC18:2の割合が対照区に比べて試験区で有意に低く、C18:3の割合が対照区に比べて1区及び2区で有意に低い(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高デンプン資材へのパンくずは食パンの耳を用い、菓子パンなどの脂肪含量の高いものは避け、さらに資材の定時、定量入手先の確保が必要である。 2. 試験区はいずれも肥育期間が延長したため、肉質向上によるメリットと豚房の回転率の低下とのコスト計算も必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 乾燥 コスト 酒造好適米 出荷調整 豚 |