牛ふんと生ゴミの混合堆肥化における悪臭抑制技術の開発

タイトル 牛ふんと生ゴミの混合堆肥化における悪臭抑制技術の開発
担当機関 岡山総畜セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 内田啓一
白石 誠
脇本進行
古川陽一
奥田宏健
発行年度 2002
要約 牛ふんと生ゴミの混合堆肥化を目的として、混合割合の違いが発酵温度、臭気発生に及ぼす影響を検討する。生ゴミの混合割合を牛ふんと同量以下にすることで良好な温度上昇と悪臭の発生低減が期待できる。
キーワード 畜産環境、牛ふん、生ゴミ、堆肥化、臭気、アンモニア、トリメチルアミン
背景・ねらい 牛ふんと生ゴミとの混合堆肥生産が試行されているが、一方で生ゴミ添加量の増加に伴う悪臭の発生、発酵の停滞などの悪影響も懸念されている。そこで、発酵温度、臭気発生に及ぼす牛ふんと生ゴミの混合割合を検討する。
成果の内容・特徴 1.
肉用牛ふん・標準生ゴミ(表1)混合物のうち標準生ゴミの占める割合が25%、50%、75%、100%の4区と牛ふんのみの対照区を設ける(表2)。いずれの区もモミガラを用いて水分率を75%に調整し、小型堆肥化実験装置にて堆肥化する。
2.
供用牛ふん及び標準生ゴミは、それぞれ熱量が337kcal/100g、397kcal/100g、C/N比が22.5、8.4、易分解性有機物が40.6%、73.0%、ADF含量が42.4%、8.9%である。
3.
対照区以外は雑草種子や病原菌が死滅する60℃以上の高温発酵が進行する。生ゴミの混合割合が75%以上の区では発酵温度のピークが遅れるが、持続性を認める(図1)。
4.
牛ふんに対する生ゴミの混合割合が75%以上で悪臭成分が高濃度に発生し、特にアンモニア(図2左)、トリメチルアミン(図2右)、メチルメルカプタンの発生を顕著に認める。
5.
生ゴミは熱量が高く、かつ易分解性有機物が多く含まれているため、生ゴミ混合区において高温発酵が起きると考えられる。また、生ゴミのC/N比が小さいことから、全試験区においてアンモニア等の窒素化合物臭気が多く発生すると考えられる。一方、ADF含量(主にセルロース、リグニン)が低いため、発酵の進行に伴って通気性が悪化し、嫌気性発酵を招来すると考えられる(図3)。
6.
以上から、牛ふんと生ゴミの混合堆肥化時において、高温発酵および悪臭低減の実現には、生ゴミの混合割合を牛ふんと同量以下にとどめる必要がある。
成果の活用面・留意点 1.
多くが廃棄される生ゴミを良質な有機性資源として活用できる。
2.
生ゴミの種類により熱量、窒素含量、ADF含量等が異なるため、牛ふんとの混合堆肥化時には混合割合に留意する。
3.
家畜ふんは畜種により堆肥化可能な上限水分率が異なるため、生ゴミとの混合堆肥化時には家畜ふんの種類に応じた水分調整が必要である(参考:モミガラを用いて水分調整した時の上限水分率は牛で75%、豚・鶏で65%)。
図表1 219529-1.gif
図表2 219529-2.gif
図表3 219529-3.gif
図表4 219529-4.gif
図表5 219529-5.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 肉牛

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