タイトル | アンケートによる豚肉の機能性成分調査 |
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担当機関 | 愛媛畜試 |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
宇都宮昌亀 菊地正健 吉岡美鈴 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 一般消費者を対象としたアンケート調査によって、豚肉の「おいしさ」の客観的評価法で使用する機能性成分を調査した結果、ビタミンB1が最も有効であった。また、豚肉中の成分含量を表示する方法は、消費者のニーズに合った有効的な方法である。 |
背景・ねらい | 現在、豚肉についての肉質評価は、枝肉の格付け評価に主眼がおかれ、肉の品質(おいしさ)についての客観的な評価は未だ確立されていないため、消費者が理解し易い消費者ニーズにあった評価法を開発し、この評価法を店頭に並んでいる豚肉に表示したいと検討している。 そこで、今回、この評価法の中で表示を行う予定の成分である機能性成分について、一般消費者を対象としたアンケート調査の実施により、消費者のニーズにあった成分の絞り込みについての調査を実施し、また、豚肉に評価法を表示した際の、消費者の購買意欲についても、併せて調査した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 機能性成分の絞り込み調査については、ビタミンB1(VB1)、ビタミンE(VE)、DHAドコサヘキサエン酸(DHA)の3種の成分を、豚肉に含まれる機能性成分と位置付け、この3種の成分の中から、消費者のニーズに合った成分一つに選定するため、一般消費者(女性510名10代~60代)を対象に、店頭で豚肉から摂取したい成分を一つ選んでもらうといったアンケート調査を行った。 2. 豚肉中の成分の含量表示がしてある豚肉の購入意向についても、女性460名を対象に合わせて調査した(表1)。 3. 機能性成分の絞り込みのため行ったアンケート調査の集計結果は、多い順位に、VB1(56%)、VE(23%)、DHA(17%)と調査対象者510名中284名がVB1と回答し、消費者が豚肉から摂取したい成分はVB1という意見が最も多い傾向が認められる(図1)。 4. 各年代ともにVB1と回答した人が50%以上と高い傾向を示し、特に20代では、約61%を占める高い傾向が認められる(表2)。 5. 成分含量表示豚肉の購入意向に関するアンケート調査の集計結果は、成分含有量が表示してある肉を購入すると回答した人は、373名で調査全体の81%を占め、このことから、豚肉中の成分含量表示は、消費者のニーズにあった有効的な方法であると示唆される(図2)。 6. 各年代別に見ても、購入すると答えた人の人数及び比率は70%以上と高い傾向を示し、特に30代および40代では、30代が86%、40代が約83%と高い傾向が認められる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 消費者ニーズを踏まえた、肉質評価モデルの作成に利用することができる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 機能性成分 評価法 豚 |