タイトル |
草地小流域土壌の乾燥程度が降雨流出に及ぼす影響 |
担当機関 |
岡農総セ |
研究期間 |
1990~2001 |
研究担当者 |
森 義雄
柆生直義
佐野敏広
金田小百合
平井 幸
|
発行年度 |
2003 |
要約 |
岡山県の主要品種である「新備中大納言」に「京都大納言」を交配し、大粒かつ収量性に優れ、製あん適性に優れた新品種「岡系1号」を育成した。
|
キーワード |
アズキ、大粒、多収、あん加工適性
|
背景・ねらい |
岡山県は中国四国一の小豆の産地であり、古くから備中地方を中心にその半数が「新備中大納言」、他に丹波系統などが作付けられている。しかし、新備中大納言は大粒で種皮色は鮮やかであるが、子実形状が実需者の評価の低い長円筒で、収量性が不安定である。そこで、「新備中大納言」に「京都大納言」を交配し、大粒かつ収量性および加工適性の優れた品種を育成する。
|
成果の内容・特徴 |
- 「岡系1号」は、1990年に「新備中大納言」を母、「京都大納言」を父として交配し、粒大、品質、収量性を重点におき系統育種法で育成した。
- 7月下旬播種において、「新備中大納言」より開花期は2日早く、成熟期は2日遅い、秋型に属する晩生種である(表1)。
- 主茎長は、「新備中大納言」より長い短の長、主茎節数は少、分枝数は多、蔓化性は中である。熟莢色は淡褐色、種皮色は赤、子実の形状は長円筒、種皮率は低、百粒重は23.8gと極大粒である(表1、「あずき品種特性分類審査基準」により分類)。
- 育成地(岡山農試)における精子実重は、「新備中大納言」よりやや多い(表1)。
- 現地試験における精子実重は、県中南部(赤坂・倉敷)で「新備中大納言」と同等以上、高冷地(美甘)で少ない(表2)。
- あんの加工適性は、浸漬における吸水速度が新備中大納言より速く、煮えむらが少ない(表3)。粒あんの加工適性は、「小豆本来の風味を豊かに備え、豊かで柔らかい香り、良好な色合いであん加工に優れた特性を有する」と製あん業者から評価されている(表4)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 「岡系1号」は、成熟期が「新備中大納言」に比べやや遅いため、11月上旬に霜害の恐れがある一部高冷地を除いた県内全域に適する。
- 「岡系1号」は、「新備中大納言」と「京都大納言」に比べ生育量が多く蔓化しやすいため、県南部地域や肥沃な土壌条件下では早播きを避け、やや疎植とする。
- 現在、品種登録を申請中である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
あずき
育種
加工
加工適性
乾燥
新品種
播種
品種
|