「タマホマレ」の不耕起無培土密播栽培の基肥における石灰窒素の効果

タイトル 「タマホマレ」の不耕起無培土密播栽培の基肥における石灰窒素の効果
担当機関 鳥取県農業試験場
研究期間 2001~2004
研究担当者 塩美津代
坂東 悟
山下幸司
発行年度 2003
要約 不耕起無培土密播栽培における「タマホマレ」の基肥として石灰窒素を50kg/10a施用することにより、生育初期の徒長を抑制しながら分枝数、着莢数の増加にともなって収量を増加させることが可能であり、増収による粗収益の増加は、肥料の相違による諸費用の増加を上回る。
キーワード ダイズ、タマホマレ、不耕起無培土密播栽培、基肥、石灰窒素、増収
背景・ねらい 不耕起無培土栽培による大豆の省力・安定化技術が体系化され、大規模稲作農家および転作集団を中心に普及しつつあり、鳥取県では導入面積が100haに達している。しかし、施肥法については検討を行っていないため、暫定的に窒素肥料は施用していないのが現状であるが、本体系においてさらなる増収を目指すため、有効な施肥法を模索する必要がある。そうしたことから、表面施用でも比較的硝化作用を受けにくい石灰窒素に注目し、その効果と利用の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 石灰窒素50kg/10a区は、無処理と比較して主茎の中~下位の節間が短縮される傾向にあり、生育途中の主茎長が短くなる。その後の上位節間の伸長によって、成熟期の主茎長の差は小さくなるが、生育期間中の軟弱徒長による早期の倒伏を抑制する可能性がある(図1,2)。
  2. 石灰窒素を施用した処理区は、着莢数の増加にともなって収量が増加し、品質は無処理と同等である。また、石灰窒素の施用量50kg/10aと100kg/10aの間で増収効果の差は見られない(表1)。
  3. 石灰窒素50kg/10aの施用した場合、無処理における苦土石灰100kg/10aと比較して、肥料費は10a当たり700円増加し、増収にともなって、乾燥費および袋代が増加するが、粗収益の増加は諸費用の増加を上回る(表2)。
  4. 以上のことから、石灰窒素を基肥として50kg/10a施用した場合、生育期間中の早期の徒長を抑制しながら着莢数および収量を増加させる効果があり、「タマホマレ」の不耕起無培土栽培における基肥施用法として有効である。

成果の活用面・留意点
  1. 本施肥法は、水稲跡の大豆栽培において適応するものであり、施肥法以外の管理技術については、鳥取県における不耕起無培土栽培の栽培指針に準ずるものとする。
  2. MB社製トラクタ装着型ロータリ部分耕ディスク作溝方式の播種機を利用して条播を行う。
  3. 石灰窒素は粒状を使用し、散布時期は播種の10日から2週間前とする。
  4. 土壌のpHが極端に低く、石灰資材を追加する必要がある場合は、粒状苦土石灰等安価な石灰資材を使用することが望ましい。
  5. 他の品種における節間短縮および増収効果については、コスト対効果を含めて別途検討が必要である。

図表1 219580-1.jpg
図表2 219580-2.jpg
図表3 219580-3.jpg
図表4 219580-4.jpg
カテゴリ 肥料 乾燥 管理技術 コスト 水稲 施肥 大豆 播種 品種

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