紫黒米糯品種「朝紫」の収量、品質および機能性成分の高位安定栽培法

タイトル 紫黒米糯品種「朝紫」の収量、品質および機能性成分の高位安定栽培法
担当機関 高知県農業技術センター
研究期間 1999~2002
研究担当者 岩崎昭雄
溝渕正晃
高田 聖
坂田雅正
島本文子
発行年度 2003
要約 「朝紫」は登熟期間の日平均気温が25℃程度で玄米の着色が安定し、品質および機能性成分が向上するため、高知県中央平坦部での移植時期は6月中旬とする。窒素施肥法は基肥+穂肥体系とし、10a当たりの施用量は基肥8kg、穂肥3kgとする。栽植密度は30cm×14cm程度の密植とする。
背景・ねらい 有色米はタンニン系およびアントシアン系の色素を持ち、強い抗酸化活性を有することが最近明らかにされている。高知県中山間地域の一部には、紫黒米糯品種「朝紫」が地域活性化の材料として導入されているが、収量が低く、玄米の着色が安定しないといった問題点が指摘されている。そこで、「朝紫」に適した作期、窒素施肥法、栽植密度を明らかにし、収量、品質および機能性成分の高位安定のための栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 高知県中央平坦部での移植時期は6月中旬とする。5月上旬移植以降、収量は移植時期が遅くなるほど減少するが、玄米の着色および機能性成分は、登熟期間の温度に影響され、日平均気温が25℃程度であれば、玄米の着色が安定し、品質およびポリフェノール含量、抗酸化活性が向上する(表1、図1、2)。
  2. 窒素施肥法は基肥+穂肥体系とし、10a当たりの施用量は基肥8kg+穂肥3kgとする(表2)。
  3. 栽植密度は30cm×14cm(24株/m表2)。

成果の活用面・留意点
  1. 稚苗を用いた平坦部における試験結果であり、中山間地域においては登熟期間の日平均気温25℃を目安として移植を行う。
  2. 早期に移植し、日平均気温が27℃程度で登熟した場合、玄米の着色が悪く光沢も劣るため、玄米品質が低下するとともに、ポリフェノール含量等の機能性成分も低下する。
  3. 窒素施用量は、土壌条件によって多少調整が必要である。
  4. 近隣に作付けされた品種との交雑および収穫調整時の一般食用米への混入等には十分注意する。

図表1 219582-1.jpg
図表2 219582-2.jpg
図表3 219582-3.jpg
図表4 219582-4.jpg
カテゴリ 機能性成分 栽培技術 施肥 中山間地域 品種

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