タイトル |
兵庫県および鳥取県におけるシタロン脱水酵素阻害型メラニン合成阻害剤 |
担当機関 |
鳥取農試 |
研究期間 |
2003~2003 |
研究担当者 |
長田靖之
久野拓靖
高木 廣(兵庫県農技総セ)
長谷川 優(鳥取農試)
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発行年度 |
2003 |
要約 |
兵庫県および鳥取県において、MBI-D系統薬剤耐性イネいもち病菌の広域発生が確認され、兵庫県では県中央部および西部で、鳥取県では県東部で耐性菌率が高い傾向が認められた。両県ともカルプロパミド剤の連年使用が耐性菌発生の一因と考えられる。
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キーワード |
MBI-D系統薬剤、耐性菌、イネいもち病、兵庫県、鳥取県
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背景・ねらい |
2001年に佐賀県においてカルプロパミド剤耐性菌の発生が確認され、2002年の全国的な予備調査の結果では、他県においても発生が確認された。そこで、適切な防除対策を立てるため、2003年に兵庫県および鳥取県における耐性菌の発生状況を把握する。
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成果の内容・特徴 |
- 兵庫県では22市町から採集したイネいもち病菌249菌株(1ほ場当たり10菌株程度)について、PCR法により耐性菌検定を行った結果、調査を行った約7割の市町からMBI-D系統薬剤耐性菌の発生が確認され、中央部および西部では耐性菌率が高い傾向が認められた(図1)。
- 鳥取県では、28市町村(1ほ場当たり3菌株程度)から採集した135菌株について、同様の検定を行った結果、県東部で耐性菌の広域発生が確認されたが、県中西部における発生は確認されなかった(図1)。
- 両県ともカルプロパミド剤が市販開始以降、急速に普及し、過去3年間の普及面積率は高く推移している。また、鳥取県では耐性菌が発生した県東部における本剤の普及率が高いが、耐性菌発生未確認の西部では本剤の普及率が低い。これらのことから、本剤の連年使用が耐性菌発生の一因と考えられる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普兵庫県では2004年は県下全域でMBI-D系統薬剤の代替剤を使用する予定である。一方、鳥取県では、耐性菌発生が確認された県東部のみで代替剤を使用する予定である。
- 代替剤の使用にあたっては、耐性菌の発生を防止するために、同一作用機作の薬剤を広域で連年使用することはできるだけ避ける。
- 種子更新を行うとともに、育苗ハウス等に被害わら・籾殻を持ち込まない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
いもち病
耐性菌
防除
薬剤
薬剤耐性
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