バラハオレタマバエの発生生態と防除

タイトル バラハオレタマバエの発生生態と防除
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 2001~2003
研究担当者 河村俊和
和泉勝憲
岩本哲弥
発行年度 2003
要約 バラの新葉や蕾を加害するバラハオレタマバエは、5月~10月に発生し、夏期に 1~1か月半の被害の発生しない期間がある。ネオニコチノイド系殺虫剤の効果が高い。
キーワード バラ、バラハオレタマバエ、発生消長、発育日数、有効薬剤
背景・ねらい 平成10年11月に下関のバラで、新葉が折りたたまれ展開しない被害や蕾が変形し奇形花となる被害が発生し、タマバエの一種による加害が原因であることがわかった。本種は九州大学大学院の湯川淳一氏、徳田誠氏の同定によりバラハオレタマバエであることが判明したが、発生生態が不明なため発生生態を解明し、有効薬剤の探索を行う。
成果の内容・特徴
  1. バラハオレタマバエの被害は、5月から10月にかけて発生するが、夏期に約1か月~1か月半の被害の発生しない期間がある(図1)。なお、温度条件等により発生時期、発生回数、発生量の変動が大きい。
  2. 成虫の生存期間は、30℃で1.7日、25℃で2.3日、20℃で3.2日、15℃で5.9日である。成虫羽化後から幼虫が蛹化のため落下するまでの期間は、25℃で9.4日、20℃で16.0日、15℃で25.0日である。幼虫落下から成虫羽化までの期間は、25℃で8.1日、20℃で13.0日、15℃で22.5日である(表1)。
  3. 世代時間は、25℃で17.5日、20℃で29.0日で、15℃では47.5日を要する。
  4. 羽化時間帯は、雄では11時~18時、雌では16時~21時で雌雄の羽化ピークは異なる(図2)。
  5. 蛹化は土中で行われ、ほとんどの個体が地表面から1㎝以内に分布する(データ省略)。
  6. 幼虫に対する薬剤感受性は、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、クロチアニジン、MEPが高く、幼虫の齢期が若いほど殺虫効果が高い(表2)。
  7. ほ場における粒剤処理では、エチルチオメトン(10g/株)は4か月、ニテンピラム(2g/株)は2か月の残効が認められる(図3)。

成果の活用面・留意点
  1. 上記農薬の使用については、平成15年2月26日付け農林水産省生産局生産資材課農薬対策室長名で出された「非食用作物の病害虫防除等に係る農薬適正使用の指導の徹底について」に基づいて指導する。

図表1 219596-1.jpg
図表2 219596-2.jpg
図表3 219596-3.jpg
図表4 219596-4.jpg
図表5 219596-5.jpg
カテゴリ 病害虫 農薬 ばら 病害虫防除 防除 薬剤

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