タイトル |
農業集落排水汚泥コンポストの利用技術 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
1998~2001 |
研究担当者 |
森永茂生
北村明久
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発行年度 |
2003 |
要約 |
| 汚泥モミガラコンポストの基肥としての窒素肥効率は、露地野菜で40%、水稲で50%程度である。
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キーワード |
農業集落排水汚泥、汚泥モミガラコンポスト
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背景・ねらい |
農業集落排水事業により県内に農業集落排水処理施設が多数建設され、これらの施設から排出される汚泥は、エコロジーの観点から受益地域内でリサイクルされることが望ましく、農業集落排水事業の性格上、農地への還元が適当とされている。 そこで、農業集落排水汚泥とモミガラを混合し、コンポスト化した汚泥モミガラコンポストの肥料的効果について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- コンポストの乾物当たりの窒素含有量は、1.88~2.40%、リン酸含有量は2.08~3.91 %、加里含有量は0.38~0.80%であった。また、重金属含有量は、肥料取締法の規制値内であった(表1)。
- 春作スイートコーン(トンネルマルチ栽培)、秋作のジャガイモおよびキャベツでは、播種あるいは定植1~2週間前の施用で、含有する窒素の40%程度の肥効が認められたため、コンポストの含有する窒素の40%相当量を基肥施用量から減らすことが可能である。なお、追肥は慣行のとおり施用する(図1、2)。
- 水稲‘コシヒカリ’では、代かき時施用(ペレット状)の方が1か月前施用よりも窒素肥効率が高く、含有する窒素の50%程度の肥効が期待できた。このことから、代かき時に施用することによりコンポストの含有する窒素の50%相当量を基肥施用量から減らすことが可能である。なお、追肥は慣行のとおり施用する(図3)。
- コンポストの施用により土壌中の亜鉛および銅含有量が増加し、特に、亜鉛は3年間合計21t/10aの施用で、土壌管理基準120ppmに近づいた(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- コンポストの基肥としての窒素肥効率は、地力差によっても違ってくるため適宜加減をする。また、慣行追肥においても同様である。
- 土壌中の亜鉛含有量は、土壌管理基準(120ppm)内に抑えなければならない。このため、多量施用や長期の連用はさけ、定期的に土壌調査を行うことが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
キャベツ
栽培技術
水稲
播種
春作
ばれいしょ
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