タイトル |
地這型果菜類の簡易猿害防止道具 「猿ガ−ドキャップ」 |
担当機関 |
滋賀県農総セ |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
山中成元
中橋冨久(栽培部)
常喜弘充
室山泰之(京大霊長研)
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発行年度 |
2003 |
要約 |
丸カゴを利用した簡便な猿害防止道具「猿ガ-ドキャップ」は、野生ニホンザルによる地這型果菜類の被害を防止する効果が高い。
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キーワード |
野生ニホンザル、地這型果菜類、猿害防止
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背景・ねらい |
菜園で頻繁に作られる果菜類等は野生ニホンザルの被害を受けやすい品目である。 一般に、それらの品目は簡易柵や恒久柵で囲われた農地で栽培されている。しかし、その設置には労力やコストがかかるため、猿害防止措置がとられていない小規模な菜園が散在し、猿害が後を絶たない地域も多く見受けられる。そこで、小規模な菜園における地這型果菜類を対象とした簡便な猿害防止道具を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- らせん杭型猿ガ-ドキャップは、樹脂製のスリット入り丸カゴの縁4か所に留具(長さ8cmの平板に直径3cmの穴あけ加工)を取り付けた構造である。(図1、2、3)。
- この道具の使用は、野生ニホンザルによる果実の被害防止率が高い(表1)。
- この道具の使用は、飼育ニホンザルによる果実の被害防止率が高い(表2)。
- 丸カゴの固定はらせん杭を使用することで、サルによる持ち上げを防ぐことができる(表2)。
以上の結果より、この道具を利用することで、地這型果菜類の猿害を簡便に防止することができる。
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成果の活用面・留意点 |
- カゴの大きさを変えることで、大玉スイカから小カボチャ等地這栽培を行う品目に幅広く適用できる。
- つるを出す溝はテ-プをまく等、つるが動いたときに傷がつかないようにする。
- 本道具の設置は、着果期~果実肥大期に行う。
- 設置の際には、果実の肥大に関係する子づる、孫づる、葉を傷めないように杭等を打ち込む。また、同化葉は葉柄を折らないように注意しながら果実といっしょにカゴ内に納めることにより、果実の日焼け防止となる。
- 設置に要する労力は防護柵に比べ少なく、1人で行うことができる。
- 本道具を自作した場合、1個当たりの資材費(カゴ、固定部、杭)は、らせん杭型400円であり、耐用年数は約3年である。
- 本キャップはイノシシ等の大型動物が出没する地域では適用できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
加工
かぼちゃ
コスト
すいか
防護柵
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