ニホンザルの嗜好性を考慮した猿害に強い農作物の選定

タイトル ニホンザルの嗜好性を考慮した猿害に強い農作物の選定
担当機関 滋賀県農総セ
研究期間 2000~2003
研究担当者 山中成元
常喜弘充
室山泰之(京大霊長研)
発行年度 2003
要約 タカノツメ、コンニャク、クワイ、ピ-マン、サトイモ、ショウガ、シュンギク、ミント、バジルは、飼育ニホンザルに対する嗜好性が極めて低く、野生ニホンザルに対しても被害を受けにくい農作物として選定できる。
キーワード サル、嗜好性、被害を受けにくい農作物
背景・ねらい 近年、野生ニホンザルによる被害を受けにくい農作物が、各地の調査により明らかにされつつある。しかし、それらの品目は、ニホンザル集団の性質や地域の環境条件等により異なることが知られている。一方、飼育ニホンザルでは味覚に関する研究が行われてきたが、各種農作物に対する嗜好性についての報告はほとんどない。そこで、現地試験において野生ニホンザルの被害がなかった品目について、飼育ニホンザルを対象とした採食試験を行い、各品目に対する嗜好性を検討し、猿害を受けにくい農作物の選定の基礎資料を得る。
成果の内容・特徴
  1. 地試験において、果菜類ではピ-マン類、トウガラシ類等6品目、根菜類ではゴボウ、コンニャク、クワイ等8品目、茎葉菜類ではシュンギク、ハ-ブ類等49品目の計63品目は、年次、集団にかかわらず野生ニホンザルの被害を受けていない(表1)。
  2. 現地試験において被害の認められなかった品目の内、コンニャク、タカノツメ、クワイ、ピ-マン、ショウガ、サトイモ、シュンギク、ミント、バジルは、飼育ニホンザルでは年齢や採食経験にかかわらず残存率が極めて高い(表2)。
  3. コンニャク、タカノツメ、クワイは、飼育ニホンザルでは最初の試食ではほとんど吐き出し、2回目でもほとんど採食しない(表3)。
  4. 以上の結果より、コンニャク、タカノツメ、クワイは飼育ニホンザルでは極めて嗜好性が低く、ピ-マン、ショウガ、サトイモ、シュンギク、ミント、バジルもそれら3品目に次いで嗜好性が低いことから、これら9品目は飼育ニホンザルにおける非嗜好性作物と考えられ、野生ニホンザルに対しても被害を受けにくい農作物として選定できる。

成果の活用面・留意点
  1. コンニャク、タカノツメは野生ニホンザルの被害を受けている地域ならどこにでも、猿害回避作物として作付けできる可能性が高い。

図表1 219626-1.jpg
図表2 219626-2.jpg
図表3 219626-3.jpg
カテゴリ くわい ごぼう こんにゃく さといも しゅんぎく しょうが とうがらし バジル

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