タイトル |
水稲−レタス作の作業競合軽減システム |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
河内博文
山本和博
大西 力
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発行年度 |
2003 |
要約 |
慣行の水稲-レタス作は作業競合が見られるが、月旬の必要労働力の減少割合で見た場合、水稲5ha+レタス1ha経営では、水稲疎植栽培技術の導入により約15%、また、レタス迅速移植技術の導入によると約18%の作業競合軽減効果が見られる。
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キーワード |
水稲疎植、レタス迅速移植、作業競合、必要労働力
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背景・ねらい |
水稲-レタス作においては、水稲収穫と年内~冬どりレタス移植、春どりレタス収穫と水稲移植の時期において各々競合が生じていると言われている。また、この営農類型農家では高齢化が進んでおり、作業の軽減化が強く望まれている。 そこで、レタスの施肥・うね立て・マルチ張り・移植作業の機械化と育苗及び苗運搬労力が軽減できる水稲疎植栽培を導入し、作業競合軽減システムを確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 株間30cmの水稲疎植栽培を導入することにより、種子予措、播種・育苗、苗運搬、箱施薬、移植作業時間の合計は約4.4h/10aとなり、慣行区に比べ約35%短縮できる。(表1)。
- レタスの迅速移植技術(施肥・うね立て・マルチ張り作業の一工程化、3条同時機械移植)を導入することにより、施肥、うね立て、マルチ張り、マルチ覆土、移植、かん水作業の合計は23.5h/10aとなり、慣行区に比べ約32%短縮できる。(表1)。
- レタス収穫~水稲移植までの作業競合は、4月下旬~6月上旬に見られ、また、水稲作型間でも6月中旬に見られるが、水稲5ha+レタス0.2 haでは保有労働力(108h/旬)は越えない。しかしながら、株間30cmの水稲疎植栽培を導入することにより、4月下旬で約17%、5月中旬で約2%、5月下旬で約28%、6月中旬で約14%必要労働力を減らすことができ、それらの作業競合軽減効果は約15%となる(表2、図1)。
- 水稲収穫~レタス移植までの作業競合は、9月上旬~10月上旬に見られ、また、レタス作型間でも10月中旬~5月上旬で起こっており、水稲5ha+レタス1haでは保有労働力は計8旬で越える。そこで、レタス迅速移植システムを導入することにより、保有労働力を越えるのは2旬に減り、9月下旬で30%、10月下旬で約31%、11月上旬で約25%、12月中旬で約8%、3月下旬で約6%必要労働力を減らすことができ、それらの作業競合軽減効果は約18%となる(表2、表3、図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- この技術は、瀬戸内平坦地の水稲―レタス作経営に導入できる。
- レタス迅速移植技術は、香川県農試で開発された機械システムである。
- 今回のデータは、現地実証農家の経営品目の中から水稲+レタス作の経営規模に照らし合わせたものである。
- 株間30cmの水稲疎植栽培とレタス迅速移植技術を導入した場合の収量性は、いずれも慣行とほぼ同程度である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
機械化
経営管理
栽培技術
水稲
施肥
播種
レタス
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