市場評価からみたブドウ新品種「オーロラブラック」の技術改善方向

タイトル 市場評価からみたブドウ新品種「オーロラブラック」の技術改善方向
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 山本晃郎
小野俊朗(果樹研究室)
尾頃敦郎
発行年度 2003
要約 ブドウ新品種「オーロラブラック」に市場競争力をもたせるための技術改善方向は、トンネル栽培での「ピオーネ」よりも収穫時期の早い「藤稔」を意識した7~10日程度の前進化栽培の確立と、ハウス栽培での安定した糖度向上である。
キーワード ブドウ、オーロラブラック、技術改善、前進化、糖度
背景・ねらい 果実販売価格の低下によって果樹産地の活力や担い手の生産意欲の低下が懸念されるとともに、果物消費量が減少するなかで産地間競争が激化している。そのため、産地では消費・市場ニーズに合わせた果実生産と有利販売の戦略策定が重要になっている。
こうしたなかで、岡山県農業総合センター農業試験場が育成したブドウ新品種「オーロラブラック」についての評価を、ブドウ取扱いの専門家である市場関係者を対象に調査・分析し、よりニーズに合致した商品性を確立するための技術改善方向を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ブドウ「オーロラブラック」の市場評価は、4つの品質構成要素のうち香りについての評価が分かれるが、甘み・肉質・外観については高い。また、ブドウとしての商品性でも高い評価を得ているため、市場性の高い有望な新品種と考えられる(表1)。
  2. 作型別の評価は、ハウス栽培の果実がトンネル栽培の果実よりも若干高い商品性評価を得るが、品質構成要素別には外観以外はトンネル栽培に若干劣る(表2)。
  3. ブドウ「藤稔」及び「ピオーネ」との比較評価では、品質総合評価と価格優位性の両面で「藤稔」に比べて上回るとする評価が過半数を占めるが、「ピオーネ」に比べての評価では品質総合評価で意見が分かれ、価格優位性の面では同等以下の評価である(図1)。
  4. 以上のことから、「オーロラブラック」は市場において「藤稔」よりも競争力をもつ新品種として期待できるが、「ピオーネ」より競争力が劣ると考えられる。そのため、果樹産地では、「藤稔」からの更新や「オーロラブラック」の果実着色が良好という品種特性を活かした「ピオーネ」の果実着色不良園への導入が望まれる(表3)。
  5. ただ、トンネル栽培では成熟期が「ピオーネ」と重なるため、販売面での競合回避を考慮する必要がある。このため、「ピオーネ」よりも成熟期の早い「藤稔」を意識した7~10日程度の前進化栽培の技術確立が求められる(表3)。一方、ハウス栽培では、安定した糖度向上への技術確立が販売推進上求められる。

成果の活用面・留意点
  1. 今後のブドウ「オーロラブラック」の商品性確立に向けた研究・実証面からの取り組みに資する。

図表1 219641-1.jpg
図表2 219641-2.jpg
図表3 219641-3.jpg
図表4 219641-4.jpg
カテゴリ 新品種 品種 ぶどう

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