タイトル |
愛媛農試方式によるイチゴ高設栽培での不耕起連続栽培 |
担当機関 |
愛媛農試 |
研究期間 |
1999~2002 |
研究担当者 |
玉置 学
東 善敏
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発行年度 |
2003 |
要約 |
栽培株を取り除いた培地(ピートモスとモミガラクンタンを等量混和)表面に緩効性肥料を全量基肥し、その上へ培地を継ぎ足し、苗を定植する不耕起栽培で、「さちのか」は、掛け流しと同程度の収量、糖度が得られる。
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キーワード |
イチゴ、高設栽培、全量基肥、循環型、環境保全型、不耕起
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背景・ねらい |
イチゴの高設栽培は収穫終了後耕起し、栽培株のクラウン部や根部を取り除く。この作業は、7月から8月の夏季高温期に行うため、栽培者にとって大きな負担となっている。そこで、環境に負荷をかけない循環型の愛媛農試方式による高設栽培システムを用い、培地不耕起による連続栽培について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 本方式は栽培株のクラウン部を鋸鎌等で取り除いた後、培地表面へ緩効性肥料を基肥として施用し、栽培に用いた同様の培地を補完し、水を点滴チューブで給水、その排液を給水タンクに回収、再び水と共に循環させる循環型栽培システムでの不耕起栽培である(図1)。
- ピートモスとモミガラクンタンを等量混和した培地を用いることで、2年目以降もスムーズに定植することができる。
- 微量要素入り緩効性肥料180日タイプ(N:P図2)。
- 不耕起とすることで、定植前の準備が大幅に省力化できる。
- 1年目培地と不耕起での2年目培地の排液ECは掛け流しに比べ高く推移するが、この主たる要因はカルシウムであるためイチゴの生育に問題はない(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 培地を連続使用しても、比較的容易に植え穴が開く培地を用いる。
- 排液率を20 %程度となるように給水量を調節する。
- 品種により微量要素入り緩効性肥料180日タイプの株当たり施肥量を変える必要がある。「さちのか」は、定植直後から肥料を与えることで強い腋果房が発生するため、本方法でも掛け流しと同等以上の収量がある。
- 微量要素の含まれていない緩効性肥料を使用すると欠乏症状が発生し、生育不良となるため、微量要素入り緩効性肥料を用いる。本方法では、排液として出た成分が再び再利用され、これが追肥効果を生み、6月初旬まで生育の衰えを感じない。
- 培地はラブシートを吊っているパイプ面よりやや上部まで入れるため、培地が下がった量を毎年補充する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
いちご
栽培技術
省力化
施肥
品種
不耕起栽培
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