点滴給液と根域制限による高糖度トマト栽培

タイトル 点滴給液と根域制限による高糖度トマト栽培
担当機関 愛媛農試
研究期間 1999~2002
研究担当者 安藤禎子
戸井康雄
才木康義
東 善敏
発行年度 2003
要約 根域を遮根透水性の不織布で深さ15cm、幅30cmに制限した地床に、トマトをa当たり550株定植し、上位葉の萎れと葉柄中硝酸濃度を指標に給液の量、濃度を調整しながら点滴自動給液することによって、糖度9以上の果実を約6.5t/10a生産することができる。
キーワード 高糖度トマト、根域制限、点滴自動給液
背景・ねらい 高糖度トマトは通常のトマトと比較して、高単価が期待でき、これに取り組む生産者も徐々に増えてきている。
しかし、従来の土耕栽培や養液栽培では高糖度トマトの生産が不安定となりやすいため、新しい技術として注目されている養液土耕栽培を用いた高糖度トマトの栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本方式は、根域制限と点滴自動給液を組み合わせて高糖度トマトを生産するもので、基本的な資材として給液装置、給液用チューブ以外は根域制限用の不織布だけであり、取り組みが容易である。
  2. 畦の形状は図1のとおりで、幅2.4mの畦に遮根シートを幅30cm、深さ15cm、条間1mで2条設置する。また、遮根シートの下には地下水の浸透を防ぐため、3cm程度の厚さにモミガラを敷くとともに、溝には地温維持のため、モミガラを入れて平畦のような状態にする(図1)。なお、溝の深さは圃場の排水状況にあわせて調整する(本試験では50cm)。
  3. 給液チューブにはノズル間隔ができるだけ狭く、吐出量が一定で、低圧で確実に止まる液垂防止機構付き点滴チューブを使用し、植付け位置の中央に1本設置する。
  4. 品種は尻腐れが出にくく、糖度・収量の高い甘福を用い(図2 ,3)、10月中旬に本葉8枚程度の若苗を株間15cmで定植し、第1花房が開花した頃から給液制限を開始する。
  5. 給液のタイミングは、展開葉上位4~5枚の萎れを目安に時期ごとに1日の給液回数(間隔)をタイマーで設定し、1回に100ml/株給液する。目安としては、年内~2月上旬までは1日に1~2回、3月上旬までは3回、以降は4回程度となる(図4)。
  6. 肥培管理には養液土耕2号を使用する。希釈濃度は径3~5cmの果実の直上葉の葉柄中硝酸イオン濃度が4000~4500ppmになるよう調節する。

成果の活用面・留意点
  1. 誘引や摘果、摘葉などの栽培管理は、一般のトマト栽培と同様に行うが、生育のバランスが崩れるので、主枝の摘芯は行わない。
  2. 4月以降は尻腐れ果が増加するため、1週間おきにカルシウム剤の葉面散布を行う。

図表1 219661-1.gif
図表2 219661-2.jpg
図表3 219661-3.gif
図表4 219661-4.gif
カテゴリ 栽培技術 トマト 肥培管理 品種 養液栽培

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