高知方式養液栽培システムによる有機質成型培地を用いたナスの促成栽培

タイトル 高知方式養液栽培システムによる有機質成型培地を用いたナスの促成栽培
担当機関 高知農技セ
研究期間 1999~2002
研究担当者 細川卓也
前田幸二
発行年度 2003
要約 高知方式湛液型養液栽培システムにおける有機質成型培地を用いたナスの促成栽培では、ロックウールと同等の上品収量が得られる。また、有機質成型培地は3年連用が可能である。
キーワード 有機質成型培地、ナス、促成栽培、育苗培地、給液濃度、連用年数、収量
背景・ねらい 「高知方式湛液型ロックウールシステム」は促成ナスを中心に普及している。しかし、使用済みロックウールはその処理に問題を残しているため、環境負荷軽減の点から、リサイクル可能な代替資材の開発とその実用化が望まれている。そこで、新たに開発された有機質成型培地の本システムへの適合性を検討し、有機質培地を用いた養液栽培における促成ナスの栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 培地:スギバークからなる有機質成型培地を用いる(図1)。
  2. 品種および定植時期:「竜馬」(実生苗)を用い、9月15~20日に定植とする。
  3. 育苗:育苗培地にはヤシガラチップとヤシガラダストを容積比1:1で混合したものを用いる。培養液は山崎ナス処方に準拠した0.6単位(EC:1.1dS/m)とする(表1)。育苗日数は40日程度で、1番花の開花直前の苗とする。
  4. 本圃管理
    (1) 栽植方法は、うね幅180cm、株間50cmとし、土耕に準じて植え穴をあけて定植する。
    (2) 仕立て方法は、主枝3本仕立てとし、側枝は1芽切り返しとする。
    (3) 培養液は山崎ナス処方に準拠する。定植前の湛液および給液とも、濃度は1.0単位(EC:1.8dS/m)とする(図2)。
    (4) 給液量は1回ベッド10m当たり7リットルとし、排液率は15~20%となるように調整する。
    (5) 温度は午前28℃、午後25℃とし、夜間は平均夜温12℃とする。
  5. 特徴:有機質成型培地は、スギ皮を高温・高圧で縦30cm×横30cm×厚さ約3cmに圧縮成型したもので、吸水後に厚さが約7cmに膨張する特徴を持つ(特許申請中)。また、本培地はロックウール耕と同等の上品収量が得られ(図1)、3年の連年使用が可能である(図3)。

成果の活用面・留意点
  1. ヤシガラとバーク堆肥の混合資材からなる成型培地も同様に使用できる。ただし、連用年数は2年しか確認できていない。
  2. 育苗後期には蒸発散量が急激に増加するため、育苗培地の乾燥に注意する。また、定植から活着までは手がけで給液する。
  3. 有機質培地では初期に窒素の取り込みによるEC低下がみられる場合があるので、定植前にはベッド内湛液のECを測定し、1.8dS/m程度であることを確認する。
  4. ベッド内湛液のECが3.0dS/m以上となった場合には、1.0dSmの培養液をベッド10m当たり150リットル給液して洗浄する。
  5. 適用範囲は、県内のナス促成栽培地帯とする。

図表1 219662-1.jpg
カテゴリ 育苗 乾燥 栽培技術 シカ なす 品種 養液栽培

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