タイトル |
竹炭施用によるホウレンソウの連続栽培 |
担当機関 |
島根中山間セ |
研究期間 |
2003~2005 |
研究担当者 |
野田 滋
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発行年度 |
2003 |
要約 |
竹炭原姿を条状に埋設、かん水チューブを敷設後、マルチを張った圃場に、セル成型苗を順次定植するホウレンソウの不耕起連続栽培システムを開発した。このシステムにより、ホウレンソウは連作障害の発生もなく、少なくとも10作の連作が可能である。
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キーワード |
竹炭、連作障害回避、ホウレンソウ、連続栽培、移植栽培
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背景・ねらい |
ホウレンソウは冷涼な中山間地での主要な品目であるが、連作障害が発生しやすく、夏期の連作がほとんどできない。そこで、中山間地の小規模産直農家等を対象に、少量を、連続して多数回収穫する、ホウレンソウの周年栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 竹炭原姿を、幅1mの畝で、深さ10cmに、条状に6条埋設(1条1m当たり約300g)し、3本のかん水チューブを敷設後、マルチを張り、株間12cm、条間15cm、6条植えの定植圃場をつくる(図1)。この圃場にセル成型苗を、収穫時期に合わせ計画的に、順次播種、移植することにより、ホウレンソウの連続栽培を行うことができる。
- 定植圃場は、2作以降、不耕起の連続栽培となり、7月から9月までは、遮光資材で被覆する。
- 育苗は、288穴トレイに市販の育苗培土を詰め、1穴当たり2粒播種する。7月から9月までは遮光する。
- セル苗は2.5~3葉令を目途に、順次、定植圃場に移植する。この方式で、年間9作の連作が可能となる。
- 肥料は初作の畝立て前に、窒素、リン酸、加里とも2kg/a施用する。2作目以降は、生育を見ながら、1a当たり0.5kg/回を、かん水チューブで液肥施用する。通常、1作当たり1~2回の施用となる。
- 連作障害発生圃場で、夏期にホウレンソウを連作すると、連作障害で生育が著しく劣るが、竹炭の施用は連作障害回避に効果的で、障害の発生もなく、連作することができる(図2)。
- 新造成圃場で連作すると、連作障害は夏期、特に梅雨明け後に発生し、後作まで影響する。竹炭を施用すると、障害の発生は見られず、連作による収量低下もなく、少なくとも10作以上、連作することができる(図3 、4 、5)。
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成果の活用面・留意点 |
- ホウレンソウのセル苗を手植えすることから、大規模農家には不向きである。
- 産直等で、少量を、多数回収穫するような小規模農家に適する。
- 1a当たりの年間資材費は、竹炭が32千円、トレイ、育苗培土、マルチ、かん水チューブ、肥料で22千円、合わせて54千円程度である。
- 全面マルチ被覆で、除草の必要もなく、施肥も生育をみながら行うことから、減農薬、 減化学肥料栽培となる。
- ハウス栽培で、黒ボク土壌に適用できる
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
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栽培技術
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中山間地域
農薬
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ほうれんそう
連作障害
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