タイトル |
ボラ土培地を用いたバラの循環型養液栽培技術 |
担当機関 |
山口農試 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
加藤博之
中野良正
平田俊昭
淺田奈津美
前田 剛
安良田勉
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発行年度 |
2003 |
要約 |
バラのロックウール栽培システムの液肥混入機を活用し、ボラ土を培地として1タンクの養液循環方式により、ロックウールかけ流し栽培と同等の収量・品質が得られる。
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キーワード |
バラ、循環型養液栽培、ボラ土
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背景・ねらい |
現在、バラ栽培に多く利用されているロックウール栽培システムは、養液のかけ流しを前提としたシステムであり、廃液処理、使用後のロックウールマット処理に大きな課題を抱えている。このため、既存の装置を活用し、後処理が容易なボラ土を培地に用いた、循環型養液栽培システムを構築する。
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成果の内容・特徴 |
- T社のロックウール栽培システムのカンエキ希釈機を活用し、山口型イチゴ高設栽培システムの栽培槽(幅25cm、深さ11cm)にボラ土(3L/株)を入れ、養液の循環は1タンク方式とし、給液はタイマー制御で行い、タンク(容量2L/株)の液量が60%減少したときに、カンエキ希釈機で希釈した液肥を水位センサーにより、自動的に補充して設定ECに調整することで、ロックウールかけ流し栽培とほぼ同等の収量と切り花長が得られる(図1、2)。
- 養液の組成は見かけの吸収濃度から作成した処方(表1)を使用し、タンク内の養液の設定ECを夏期(6~9月)は1.2dSm-1とし、他の期間は1.5dSm-1とする。1日の給液量と給液回数はそれぞれ春期(4~5月)と秋期(10~11月)は1,600ml/株、13回、夏期(6
~9月)は2,000ml/株、16回、冬期(12~3月)は1,200ml/株、10回とする。
- 本システムによる循環型養液栽培では、1年に1回メンテナンスのためにタンク内の養液を廃棄したとしても、ロックウールかけ流し栽培(標準的な給液量と施肥濃度で管理した場合)に比べて、窒素の年間排出量は7%以下に削減できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 供試品種は「ローテローゼ」である。
- ボラ土は火山性の砂礫性土で、通気性や透水性に優れる。ここでは、市販の「日向ボラ土」、粒径3~5mmを用いた。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
いちご
施肥
ばら
品種
養液栽培
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