タイトル |
摘粒作業を行わない「ピオーネ」の超省力的花(果)房管理法 |
担当機関 |
岡山農総セ |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
小野俊朗
尾頃敦郎
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発行年度 |
2003 |
要約 |
二次花穂を利用した花穂整形とフルメット10ppm混用ジベレリン25ppmの満開期1回処理を併用すると摘粒作業を行わなくても従来と同等の「ピオーネ」果実の生産が可能となり、花(果)房管理が大幅に省力化できる。
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キーワード |
ブドウ、花穂、省力、摘粒、労働時間
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背景・ねらい |
「ピオーネ」栽培の花(果)房管理作業は短期間に集中し、その労働時間も多いため労働ピークを形成し、規模拡大の障害となる場合が多い。そこで、二次花穂の利用とジベレリンの満開期1回処理を併用し、摘粒作業を省略した超省力管理法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 本法では、開花始めに長さ2.5~3cmの二次花穂を一つ残して花穂整形し、満開3~5日後にジベレリン25ppmとフルメット10ppmを混用して浸漬処理する。結実後の摘粒作業は行わず、果房の大きさを調節するために最小限の整房作業を実施する。
- 本法での労働時間は慣行に比べて、花穂整形管理が58.4%、整房・摘粒管理が15.2%と大幅な省力化が図れ、開花期前後にあたる5月下旬から6月中旬の労働ピークが解消する(表1、図1)。
- 本法では果房が結果枝と近接するため、ジベレリンの2回目処理と袋掛けの作業性が劣るが、2回目処理はフルメット10ppm混用ジベレリン25ppmの満開期1回処理を採用することで解消する。
- 本法では果粒がやや小さく小房の比率が高まるが、果房重400g以上を確保すれば2㎏箱出荷での市場性に遜色はない(表2、3)。
- 摘粒を省略することで果粒が密着し、果房上部の穂軸分岐部が裂ける場合があるが、成熟期までにほとんど癒合し、栽培上の大きな障害とはならない(データ省略)。
- 以上の結果、二次花穂を利用した花穂整形とフルメット10ppm混用ジベレリン25ppmの満開期1回処理を併用すると摘粒作業を行わなくても従来と同等の「ピオーネ」果実の生産が可能となり、花(果)房管理が大幅に省力化できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培規模が大きい場合や労働競合が起きる場合に本手法を採用する。
- 5kgコンテナ出荷での市場性については今後検討する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
規模拡大
出荷調整
省力化
超省力
ぶどう
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