果頂部切除によるニホンナシ「新高」の果形の改善と裂皮の軽減

タイトル 果頂部切除によるニホンナシ「新高」の果形の改善と裂皮の軽減
担当機関 岡山農総セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 安井淑彦
伊達寛敬
各務裕史
小林一奈
田村史人
発行年度 2003
要約 果頂部の突出した幼果は、満開後30日ごろまでに果頂部を高さ2mm程度を目安に摘果バサミで切除すると、果形が改善され、裂皮や裂果の発生を軽減できる。処理による切除痕はあまり目立たず、果実品質にも悪影響を与えることはない。
キーワード ニホンナシ、果形、切除、果頂部、裂果
背景・ねらい ニホンナシ「新高」では、開花直後に受粉を行うと果頂部の突出した果形になりやすい。受粉作業は天候の適否により前後し、必ずしも適期に受粉できないため、果頂部の突出した果実がしばしば発生する。そこで、幼果期の果頂部切除により「新高」の果形の改善を図る。また、果頂部切除が裂皮や裂果の発生に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 果頂部が突出した幼果は、満開後30日ごろ(果実横径:約2~2.5cm)に果頂部を高さ2mm程度を目安に摘果バサミで切除すると(図1)、収穫時に果頂部の突出が短く果形が改善され(表1)、裂皮や裂果の発生が減少する(図2)。
  2. 満開後40日ごろに切除すると、切除痕は軽い霜害痕状になり、やや目立つ。満開後50  日以降に切除すると、切除痕がかさぶた状になり、かなり目立つ(図3)。
  3. 切除時期が早いほど切除痕が目立たないので、満開後30日ごろまでに切除する(図3)。
  4. 満開後30日ごろの切除では、処理時の天候にかかわらず、果実の異常な軟化や糖度の低下は認められない。また、切除部の腐敗、心腐れ、みつの増加は認められない(表2)。
  5. 室温で20日間貯蔵後も、無処理果に比べて品質の低下や果肉障害の増加はなく、裂皮の増加や切除痕の色の変化は認められない(データ省略)。

成果の活用面・留意点
  1. 本技術は、果頂部突出果が多発した園や樹に限定し適用する。良果には実施する必要はない。
  2. 本技術は、小袋を利用した栽培やハウス栽培でも適用できる。
  3. 本技術は愛宕にも適用でき、切除処理を行っても心腐れの発生は助長されない。
  4. 深く切除しすぎると、果形が扁平になり、切除痕の周囲にみぞを生じる場合がある。

図表1 219697-1.jpg
図表2 219697-2.jpg
図表3 219697-3.jpg
図表4 219697-4.jpg
図表5 219697-5.jpg
カテゴリ 果肉障害 受粉

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