タイトル |
スダチ搾りかすの堆肥舎内での短期間堆肥化法 |
担当機関 |
徳島農林水産総技セ |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
柴田好文
森 聡
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発行年度 |
2003 |
要約 |
堆肥舎内で腐熟途中のカンキツせん定枝粉砕堆積物にスダチ搾りかすを混合することにより、スダチ搾りかすの堆肥化が可能である。
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キーワード |
カンキツせん定枝、スダチ搾りかす、堆肥化
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背景・ねらい |
環境に優しい持続的果樹栽培技術体系の早急な確立が求められている中、果樹園から排出されるせん定枝および果実搾りかす等を焼却することなく、園内に土壌改良資材としてリサイクルするために、カンキツせん定枝粉砕堆積物を用いたスダチ搾りかすの短期間堆肥化法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 2002年春にせん定したカンキツせん定枝を同年5月に粉砕し堆肥舎内で散水しながら堆積し、腐熟途中の9月中旬にスダチ搾りかすを重量の半量加え混合し堆積する。以後、適宜切り返しを行うと、約3か月後の12月下旬にはカンキツせん定枝堆積物同様の完熟堆肥が得られる。
- 搾りかす混合時点でのpHは搾りかすのpHが低いため低下するが、約1か月後にはせん定枝堆積物とほぼ同様となる(図1)。
- 搾りかす混合時点ではT-N(%)の低下やC/Nの上昇が生じるが、約1か月後にはせん定枝堆積物とほぼ同様となる(図2)。
- 堆積物の抽出液を用いてコマツナ種子発芽試験を行うと、対照区の水と同じ発芽率100%であり、茎長は水の場合よりも優れ(表1)、このことからも完熟していると判断される。
- 搾りかす混合堆肥はせん定枝堆肥に比べてpH、EC、K2Oがやや高くCaOがやや低いが、その差はわずかであり、せん定枝堆肥と同程度に完熟していると判断される。
- 搾りかす混合堆肥はせん定枝堆肥とともに市販のバーク堆肥に比べてT-Nや塩基成分含量が高く、C/Nが低いことからバーク堆肥より栄養や腐熟性に優れている(表2)。
外観もせん定枝堆積物と同様黒色で、市販のバーク堆肥様になっている。
- 以上のことから、スダチ搾りかすをカンキツせん定枝粉砕堆積物に混合し、適宜切り返し堆積 するだけで完熟した堆肥の作製が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 本方法には堆肥舎が必要であり、大型チッパー、ショベルローダーを用いれば効率的である。
- スダチ搾りかすをせん定枝堆積物と等量混合しても堆肥化は十分可能である。
- 本堆肥の施用は10a当たり3t程度とする。
- せん定枝堆肥、スダチ搾りかす混合堆肥だけでは必要量の堆肥をまかなえないが、園内、地域内でのリサイクルとしての利用が可能となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
こまつな
栽培技術
すだち
土壌改良
その他のかんきつ
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