産乳と繁殖成績に及ぼす乾乳後期のTDN要求量130%給与の効果

タイトル 産乳と繁殖成績に及ぼす乾乳後期のTDN要求量130%給与の効果
担当機関 島根畜試
研究期間 2001~2003
研究担当者 吉原由実子
竹下幸広
多久和正
発行年度 2003
要約 乾乳後期のエネルギー不足を是正するための、TDN要求量を130%とした飼料給与は、標準の100%とした給与に比べ、乾物摂取量、乳量、ならびに初回排卵までの日数、初回発情までの日数、初回授精までの日数に差がなく、効果がない。
キーワード 乳牛、乾乳後期、TDN
背景・ねらい 乳牛の乾乳後期の飼養は分娩後の濃厚飼料多給への馴致期間として重要であり、また、エネルギー要求量が高まるのに対して乾物摂取量が減少することからエネルギー不足になりやすく、その結果、体脂肪が動員され、ケトージス、脂肪肝等の代謝障害の原因となり、分娩後の産乳や繁殖成績に悪影響を及ぼすことが知られている。このため、この期間の適正な飼養管理技術の確立が求められている。そこで、乾乳後期のTDN給与水準について検討する。
成果の内容・特徴
ホルスタイン種10頭を用い、乾乳後期(分娩予定日3週間前)から分娩までの期間、混合飼料(TMR)のTDN濃度を調整し、日本飼養標準の乾乳後期のTDN要求量の100%を給与する区(標準区)とTDN要求量の130%を給与する区(高区)の2区を設定し、飼養試験を実施する(表1)。CPは両区とも要求量を充足し、ほぼ同一となるよう給与する。分娩後の給与飼料は両区同一とし、産乳成績、血液性状、繁殖性を調査する。
  1. 分娩後のDM摂取量、CP摂取量、TDN摂取量に差は認められない(図1)。
  2. 分娩前後の遊離脂肪酸濃度は両区に差が無いが、高区は標準区に比して分娩前は低く、分娩後は高く推移する(図2)。
  3. 乳量は差が無いが、高区が高く推移する(図3)。
  4. 分娩後4週以降、高区の乳脂率が低く推移する(図3)。
  5. 繁殖性は外部徴候の観察、超音波画像装置による卵巣所見、プロジェステロン濃度の測定により、初回排卵までの日数、初回発情までの日数、初回授精までの日数を調査し、標準区はそれぞれ25.6±12.4日、48.4±25.5日、71.6±13.5日、高区は27.8±13.5日、43.2±9.9日、73.0±24.2日であり、いずれの項目も両区に差はない。
  6. これらの結果から、乾乳後期におけるTDN要求量の130%の飼料給与は、分娩後の産乳や繁殖成績を向上する明確な効果を認めない。

成果の活用面・留意点
  1. 乾乳後期のTDN給与水準は100%を確保すれば問題はない。

図表1 219735-1.jpg
図表2 219735-2.jpg
図表3 219735-3.jpg
図表4 219735-4.jpg
カテゴリ 飼育技術 乳牛 繁殖性改善

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