生体電気インピーダンス解析による牛肉のインピーダンス特性の推定

タイトル 生体電気インピーダンス解析による牛肉のインピーダンス特性の推定
担当機関 愛媛県畜産試験場
研究期間 2001~2003
研究担当者 岡田栄一(愛媛畜試)
橋本和博
高橋和裕
新居康生(徳島畜研)
谷原礼諭
中嶋哲治(香川畜試)
渡邊朋子
日浦千尋(高知畜試)
豊田淨彦(神戸大)
発行年度 2003
要約 牛肉においても、植物分野で用いられているHaydenの細胞モデルが適用でき、インピーダンス特性(細胞外抵抗、細胞内抵抗、細胞膜容量、位相角)が推定できる。
キーワード 肉用牛、インピーダンス、Haydenの細胞モデル
背景・ねらい 生体電気インピーダンス解析は、人の体脂肪率等を推定する健康医療器具並びに農産物(植物)及び食品の品質モニタリング研究などに用いられている手法である。しかし、これは電気化学分野の手法であり、畜産の研究方法と異なることなどから牛肉への適用の報告は少ない。そこで、新たな牛肉品質の評価手法として、牛肉の脂肪交雑測定などに生体電気インピーダンス解析が適用できるかどうかについて検討を行う。
成果の内容・特徴
  1. 黒毛和種去勢肥育牛の枝肉左半丸の第6、7肋間から約3cmの厚さで牛肉のサンプルを採取し胸最長筋部分に、周波数特性分析装置(図1)を用いて5Hz~2.2MHz間の交流電流を流すと、インピーダンス値(交流抵抗値)及び位相値が測定できる。
  2. インピーダンス値及び位相値からResistance及びReactanceを計算し、複素インピーダンス図を作成すると円弧の形状が認められる(図3「○」プロット)。この円弧の形状は、植物で研究されている細胞の電気的特性と同様である。
  3. このことから、植物細胞組織の電気的特性の研究に用いられているHaydenの細胞モデル(図2・表1)が適用できる。
  4. 図3で示す円弧の部分についてHaydenの細胞モデルを適用すると、実測値(「○」)に対して推定値(「-」)が高い適合性を示す(図3)。このことから、牛肉においても、農産物(植物)及び食品の品質モニタリング研究などに用いられているインピーダンス特性(細胞外抵抗、細胞内抵抗、細胞膜容量、位相角(細胞の均質性))が適用できることが明らかとなり、これを用いて品質評価研究などにも応用することができる。

成果の活用面・留意点
  1. 牛肉の電気的特性を用いた新たな品質評価研究に応用可能である。
  2. 複素インピーダンス図において、円弧の現れないものについては、パラメータの計算が行えないため、実測値を用いた解析を検討する必要がある。

図表1 219750-1.jpg
図表2 219750-2.jpg
図表3 219750-3.jpg
図表4 219750-4.jpg
カテゴリ 肉牛 モニタリング

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