タイトル | DNAマーカーによるイグサ品種識別 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
池田達哉 福岡浩之(野菜茶研) 矢野 博 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 国内外で栽培される主要なイグサ品種間において、多型の認められたISSR-PCR増幅産物の塩基配列を決定し、「ひのみどり」「せとなみ」「筑後みどり」特異的ISSR-STSマーカーを開発した。これらのマーカーは植物新品種育成者の権利保護に利活用できる。 |
キーワード | イグサ、DNAマーカー、品種識別、種苗法 |
背景・ねらい | 昨今、輸入量の著しい増大が問題となっているイグサについて、国内生産の適正な保護と種苗法による植物新品種の保護の観点より品種識別技術の開発が要請されている。イグサの品種開発は、芽条変異や近縁系統間交雑が主に利用され、DNAレベルでの変異が極めて少ないと考えられる。そのため、単純反復配列間(ISSR:Inter-Simple Sequence Repeat)領域における多型を検出する技術を用いて、イグサ品種識別マーカーを開発し、実用化技術として提供する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 国内外で生産される主要な栽培品種であるイグサ11品種(あさなぎ、いそなみ、岡山3号、きよなみ、くまがわ、下増田在来、しらぬい、せとなみ、筑後みどり、ひのみどり、ふくなみ)相互間の識別は、品種特異的に認められるISSR-PCR増幅産物の塩基配列の決定によってSTS(Sequence Tagged Site:配列タグ部位)化したプライマーセット(864t4、850c4、864t7)を用いる。 2. プライマーセット(864t4、850c4、864t7)を用いた電気泳動結果は、図1に示したとおり、864t4では、「ひのみどり」に1本のバンド(約550bp)、それ以外の品種では約300bpと550bpの位置に2本のバンドが検出される。850c4では、「せとなみ」に1本のバンド(約400bp)、864t7では、「せとなみ」「筑後みどり」に1本のバンド(約450bp)、それら以外の品種ではバンドが検出されない。 3. 3組のプライマーセット(864t4、850c4、864t7)を用いた電気泳動結果により、「ひのみどり」「せとなみ」「筑後みどり」のそれぞれを品種識別することができる。 1. |
成果の活用面・留意点 | 1. PCR反応条件等の留意点は、DNA分析によるイグサの品種識別マニュアルとして、農林水産省品種登録ホームページ(http://www.hinsyu.maff.go.jp)に掲載されている。 2. 品種識別能力のより一層の向上が望まれる場合は、他の複数のDNAマーカーと併用する。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | いぐさ 新品種 新品種育成 DNAマーカー 品種 品種開発 |