兵庫県北部における「コシヒカリ」外観品質向上対策

タイトル 兵庫県北部における「コシヒカリ」外観品質向上対策
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 岩井正志
小河拓也
発行年度 2004
要約 兵庫県北部において「コシヒカリ」の夏季高温で発生する外観品質低下を軽減する対策としては、移植時期を従来の5月上旬より遅らせ、5月20日以降とすることが最も有効である。次に有効な対策は穂肥の減量1回施用である。
キーワード コシヒカリ、イネ、外観品質、移植時期、穂肥、高温障害
背景・ねらい 2001年に兵庫県北部の「コシヒカリ」で発生した乳白粒等の発生により、県北部但馬産「コシヒカリ」は従来90%程度であった一等米比率が47%にまで低下した。このため、本県北部の玄米外観品質向上が、「コシヒカリ」産地競争激化の中、生き残りをかけて強く求められている。そこで、「コシヒカリ」外観品質向上を重視した対策として、移植時期、穂肥施用法、栽植密度の効果を把握する。
成果の内容・特徴
  1. 移植時期を5月10日から5月20日、30日に遅らせることにより、「コシヒカリ」の白未熟粒率(乳白、心白、腹白、基白の合計、以下同じ)は、5月10日移植の5割以下に軽減され、検査等級も二等から一等に改善する(表1、図2)。
  2. 穂肥を出穂15日前1回施用とし、2回施用の合計量の4割減とすることにより、白未熟粒率は、従来の出穂20日前と10日前の2回施用と比較すると6割程度に軽減される(表1)。ただし、移植時期が5月30日の場合は、移植時期の効果が大きく、差がほとんどみられない。
  3. 栽植密度が21株/m2と15株/m2との間では、年次間差はあるものの、外観品質改善効果は明確には認められない(表1)。
  4. 移植時期を5月10日から20日以降へ遅らせる、また、穂肥を2回から1回とし施肥量を4割減とすることにより、収量は各々1割程度減少する(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 本試験は、夏季高温年(図1)であった2002、2004年の兵庫県北部豊岡市現地試験ほ場における成績である。
  2. 穂肥の1回減量施用による外観品質向上効果は、地力が低い地域では、高い地域に比べ出穂期以降の肥効不足のため効果が小さい場合があるので、地域にあった施肥体系が必要である。
  3. 品質向上に伴う収量の減少による収益減を補う米価向上のための販売対策を講じる必要がある。

図表1 219803-1.jpg
図表2 219803-2.jpg
図表3 219803-3.jpg
カテゴリ 高温対策 施肥

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