タイトル |
アカスジカスミカメの年間世代数の推定 |
担当機関 |
滋賀農総セ |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
重久眞至
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発行年度 |
2004 |
要約 |
アカスジカスミカメの卵、幼虫、産卵前期間の発育零点、有効積算温度はそれぞれ12.1℃・105.7日度、11.9℃・182.1日度、15.1℃・59.5日度である。これらをパラメータとして、越冬世代成虫の発生ピークから休眠卵産下時期までの年間世代数を推定できる。
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キーワード |
アカスジカスミカメ、発育零点、有効積算温度、臨界日長、年間世代数
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背景・ねらい |
近年、滋賀県においては、斑点米カメムシ類の一種であるアカスジカスミカメが急増しており、それらの加害による玄米の品質低下が大きな問題となっている。そこで、県内個体群を用いて、本種の発育零点、有効積算温度、休眠卵産下に対する臨界日長を調べ、より高精度な発生予察をするための基礎資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- 卵期間(非休眠卵)の発育零点は12.1℃、有効積算温度は105.7日度、幼虫期間の発育零点は11.9℃、有効積算温度は182.1日度、産卵前期間の発育零点は15.1℃、有効積算温度は59.5日度である(表1)。
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9月10日前後に産下された卵の休眠卵率は50%となり(図1、表2)、休眠卵産下に対する臨界日長は13.5時間付近である(図1)。また、産下された卵が全て休眠卵となるのは両年とも10月1日前後である(図1)。
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発育零点、アメダス気温データをパラメータとし、各ステージの有効積算温度を満たす日数を三角法(坂神・是永、1981)で計算することにより、越冬世代成虫の発生ピーク後から休眠卵産下時期までの年間世代数の推定が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
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本推定を用いるには、越冬世代成虫の発生ピークをすくい取りや予察灯で確認する必要がある。
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産下された卵が完全に休眠する10月1日前後を1年間の発生終了時とする。
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滋賀県におけるアカスジカスミカメの年間世代数は、低温年である2003年の高島市今津町では年間4世代(成虫の発生ピークは6月上旬、7月中旬、8月中旬、9月中旬)、高温年である2004年の滋賀県彦根市では5世代(成虫の発生ピークは6月上旬、7月上旬、7月下旬、8月中旬、9月中旬)と推定され、県内でも年次、場所によって、世代数は異なると計算される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
アカスジカスミカメ
斑点米カメムシ
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