タイトル |
米ナスロックウール栽培における黄化葉発生軽減のための培養液処方 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究期間 |
2000~2003 |
研究担当者 |
飯田佳代
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発行年度 |
2004 |
要約 |
米ナスのロックウール栽培で、培養液のカリウムを6.5me/L、マグネシウムを3.2me/L、K/Mg比を2とすることにより、マグネシウム欠乏による黄化葉の発生を抑制し、収量を増加させることができる。また、単肥配合により肥料費が低減できる。
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キーワード |
米ナス、ロックウール栽培、単肥配合、マグネシウム欠乏、培養液処方
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背景・ねらい |
「高知方式湛液型ロックウールシステム」を用いた米ナスの養液栽培において、普通ナスと同じ培養液処方では、初期収量が土耕栽培よりも増加するものの、黄化葉が発生し、栽培後半には樹勢低下によって減収するなどの問題があった。そこで、米ナスの収量・品質の向上のための培養液処方について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 黄化葉中のマグネシウム含有率は0.05~0.11%と健全葉の0.17~0.33%に比べて大幅に低いことや、他の成分含有率には差が少ないことから、黄化葉の発生原因はマグネシウムの欠乏と推定される(図表省略)。
- 単肥配合による多量要素の改善培養液処方(100倍濃縮液)の作成方法は、表1に示す。
- 単肥肥料を用いて培養液中のカリウムを6.5me/L、マグネシウムを3.2me/L、K/Mg比を2とする。これにより、葉中のマグネシウム含有率が高まるとともに黄化葉の発生は大幅に少なくなり、可販果収量は5~15%増加する(表1、2、図1)。
- 年明け以降、栽培ベッド内のECが3dS/mを超えた時点で、給液中のマグネシウムの濃度は変えずに、他の成分を0.8単位相当に下げる。これにより慣行よりも多くの収量を得られる(図2)。なお、これまでは、全期間1.0単位で栽培し、ベッド内のECが3dS/mになると低濃度の培養液で洗浄する方法がとられていた。
- 単肥配合を用いることにより、多量要素の肥料費は慣行に比べ、輸入肥料で約6~7割減、国産肥料で約2割減となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 本技術は主枝2本仕立てを基本とするが、主枝4本仕立てでも活用できる。
- 微量要素は、鉄2.7ppm、マンガン0.6ppm、亜鉛0.23ppm、ほう素0.4ppm、銅0.06ppm、モリブデン0.07ppmを1.0単位として市販配合肥料または単肥配合により1.0~0.8単位時の濃度とする。
- K/Mg比の改良による黄化葉の軽減対策は「高知方式湛液型ロックウールシステム」だけでなく、他の養液栽培システムにおいても利用可能と思われる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
なす
養液栽培
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