ソルゴー障壁を利用した露地ナス栽培での黄色蛍光灯による鱗翅目害虫の加害抑制

タイトル ソルゴー障壁を利用した露地ナス栽培での黄色蛍光灯による鱗翅目害虫の加害抑制
担当機関 京都農総研
研究期間 2001~2004
研究担当者 木村重光
福井正男
発行年度 2004
要約 ソルゴー障壁を利用した露地ナス栽培においては、アザミウマ類及びアブラムシ類等微小害虫の発生を抑制できるが、オオタバコガ等の鱗翅目害虫が増える欠点がある。そこで、黄色蛍光灯を1 lx以上になるように夜間点灯することにより、鱗翅目害虫の幼虫による被害を大幅に軽減できる。
キーワード 黄色蛍光灯、露地ナス、鱗翅目幼虫、ソルゴー障壁
背景・ねらい 露地ナス(品種:千両二号)に被害を与える微小害虫(アザミウマ類及びアブラムシ類)の発生を、ソルゴー等障壁作物をナスほ場周囲に栽植して抑制する栽培方法が、減化学農薬栽培技術として拡がりを見せている。しかし、障壁作物でほ場周囲を囲むと、オオタバコガ、ハスモンヨトウ等鱗翅目害虫の被害がやや増加する傾向が見られる(図1)。そこで、夜行性害虫の飛来忌避・産卵抑制効果を利用した黄色蛍光灯による防除技術を組合せることで、被害軽減を図り減化学農薬栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. ソルゴー障壁を行った露地ナスほ場において、30w環形黄色蛍光灯“撃退くん”(NBT社製)を夜間点灯した。点灯を開始した6月から収穫を終了した10月末までの収穫量に対するオオタバコガ幼虫による被害果率は慣行栽培の約1/15に軽減される(図2)。
  2. 上方照射型の30w環形黄色蛍光灯“撃退くん”は、うね上高1.2mに設置した場合、うね内、うね間のどちらに設置しても、効果に大きな差はなく、ナスの生長に伴う遮蔽の影響は少ない(図3)。
  3. 黄色蛍光灯は、同時期に発生するハスモンヨトウ、アズキノメイガにも効果がある(図4)。
  4. 10a当たり10灯設置した黄色蛍光灯利用に係る経費は、照明器具等資材費が1作当たり37,300円、また、電気代は1日12時間点灯として90円/日(1作当たり約14,000円)である。なお、照明器具は5年耐用、黄色蛍光灯は2年耐用として計算した。

成果の活用面・留意点
  1. 1 lx以上の照度を確保するためには、30w環形黄色蛍光灯では、10a当たりおおむね10灯必要である。
  2. 黄色蛍光灯は設置位置の影響を受けないが、作業性を考慮するとうね内の方がよい。
  3. 黄色蛍光灯の夜間点灯によるナスの生育に及ぼす影響は見られない。

図表1 219836-1.jpg
図表2 219836-2.jpg
図表3 219836-3.jpg
図表4 219836-4.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 栽培技術 なす 農薬 微小害虫 品種 防除

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