シソ青枯病の二次伝染を抑制できる刈刃加熱装置の開発

タイトル シソ青枯病の二次伝染を抑制できる刈刃加熱装置の開発
担当機関 愛媛農試
研究期間 2001~2004
研究担当者 崎山進二
篠崎 毅
村上要三
楠元智子
発行年度 2004
要約 シソ青枯病は収穫機の刈刃により二次伝染し、被害が急速に拡大する。この二次伝染は刈刃を高温(90℃以上)にすることで防止できることを明らかにするとともに、刈刃をプロパンガスで加熱する装置を開発した。これにより、実用的な二次伝染防止効果が期待できる。
キーワード 赤シソ、青枯病、二次伝染、刈刃加熱装置
背景・ねらい 本県の赤シソ栽培において青枯病は最重要病害であり、特に主産地の東予地域で甚大な被害を受けている。本県の赤シソの収穫は、一般に5月下旬から9月中旬頃までの間に約7日間隔で専用の収穫機を用いて先端部の5cm程度を刈り取る方法で行うが、収穫機の刈刃によって青枯病が二次伝染して急速に被害が拡大している。そこで、青枯病の効率的な防除対策を確立する一環として、収穫機の刈刃による二次伝染防止技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 刈刃の温度を90℃以上にすると青枯病の二次伝染を防止できる(表1)。
  2. 収穫機刈刃の加熱は、プロパンガスを燃料とした火力で行う。加熱(点火)部は、約1.5cmの間隔で直径約1.5mmの穴を開けた鋼管(内径10mm)を刈刃の形状に曲げて刈刃の下部約1cmの位置に取り付ける。これにより、刈刃の温度をシソの刈取り直後も90℃以上(刈刃中央部の平均温度141℃)に保つことができる。収穫中に火や鋼管がシソに直接あたると葉焼け等を生じて収量や品質が低下するので、鋼管の周辺は薄いアルミニウム板で保護する(図1)。プロパンガスの使用量は、1時間当たり約0.2kgである。
  3. 自然発病のない圃場での接種試験(各区の刈取り開始前に発病株を刈取らせる。二次伝染が確認された後は中止する。)では、慣行の収穫機による収穫は収穫回数の増加にともなって二次伝染による発病株が急激に増加するのに対して、刈刃加熱装置を装着した収穫機では二次伝染株が認められるものの発病株の増加は明らかに遅く実用的な効果がある(図2)。
  4. 刈刃加熱装置を装着した収穫機の収量は、無発病(健全区)とほとんど差がなく(図3)、肉眼による品質低下も認められない。

成果の活用面・留意点
  1. 青枯病の二次伝染を効率よく抑制でき、青枯病発生圃場で赤シソ栽培を継続することができる。
  2. ガスバーナーの火が強風等で消えたり、刈刃の温度が一定にならないことがある。また、加熱により刈刃が錆びやすいので、終了時には適切な刈刃の管理を行う。

図表1 219844-1.jpg
図表2 219844-2.jpg
図表3 219844-3.jpg
図表4 219844-4.jpg
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 しそ 収穫機 防除

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