露地キュウリにおけるキュウリ黄化病の初期病徴

タイトル 露地キュウリにおけるキュウリ黄化病の初期病徴
担当機関 愛媛県農業試験場
研究期間 2003~2004
研究担当者 栗坂信之
村上要三
奈尾雅浩
発行年度 2004
要約 露地キュウリにおけるキュウリ黄化病の初期病徴は、葉表が淡く黄化し、葉裏にツヤがなくなる。また、葉脈間を太陽光に透かして観察すると無数の小点を生じる。この症状は他のウイルス病、生理障害にはみられない特異的病徴である。
キーワード キュウリ、露地栽培、黄化病、初期病徴、BPYV、CuYV
背景・ねらい キュウリ黄化病は、施設の厳寒期に発生するが、病勢の進展は緩慢とされる病害(川越ら 1984)である。愛媛県では、2002年から露地栽培で発生がみられ、露地では病勢進展が著しく、従来報告のない特異的な初期病徴がみられている。そこで、本初期病徴と愛媛県内で発生している他のウイルス病、生理障害との識別点を明らかにして、黄化病の早期発生把握に資する。
成果の内容・特徴
  1. 露地キュウリの黄化病の初期病徴は、葉表が淡く黄化し、葉裏にツヤがなくなる。また、葉脈間を太陽光に透かす等の透過光で肉眼観察すると1mm程度の無数の小点(退色小斑点)を生じている(図1)。
  2. 初期病徴は定植後1カ月後頃から中位葉に現れる。初期病徴を示す株は1~2週間で典型的な黄化型症状へ移行する。病徴が進み葉が黄化を始めると葉脈間の小点は、より明瞭となる。その後、黄化が強まると葉脈間の小点は消失する。
  3. 初期病徴葉および初期病徴から1~2週間経過した黄化型症状葉からはRT-PCR法によりキュウリ黄化ウイルスが検出される。
  4. 本初期病徴は、黄化えそ病(MYSV)、葉脈間が黄化する生理障害の症状と紛らわしい場合がある。これらの症状とは葉脈間の小点の有無で識別できる(表1)。
  5. モザイク病(ZYMV、CMV、PRSV-W)の単独感染による病徴は、明らかに黄化病と異なる(表2)。
  6. 作付けの多いキュウリ品種である「ステータス夏III」、「Vロード」で初期病徴が確認されている。

成果の活用面・留意点
  1. 本初期病徴は、キュウリ黄化ウイルスの単独感染による特徴である。
  2. 本初期病徴は、2003、2004年に愛媛県内の10箇所以上の圃場(直線距離で60km離れた圃場)で広範囲に確認されている。

図表1 219850-1.jpg
図表2 219850-2.jpg
図表3 219850-3.jpg
カテゴリ 黄化えそ病 きゅうり 栽培技術 生理障害 品種

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