タイトル |
キャベツの有機質肥料栽培のための畝立て同時畝内作条局所施肥機 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2003~2004 |
研究担当者 |
松本功
高島昭
(株)ヤンマー農機関西
ヤンマー農機
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発行年度 |
2004 |
要約 |
15kWクラスのトラクタに装着でき、畝立てと同時に畝内に4条作溝局所施肥ができる作業機である。作業能率は1.2時間/10aで、有機質肥料を用いた初冬どりキャベツ作に適応できる。
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キーワード |
キャベツ、畝内局所施肥
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背景・ねらい |
連作により多肥傾向になっている兵庫県南部のキャベツ産地では、減肥技術の確立によって環境負荷の低減を推進している。慣行の全層施肥に変えて、局所施肥のできる作業機の開発により問題解決を図る。2条局所施肥方式は肥料やけの回避や畝内の広い範囲に拡散させることが容易でなく、施肥条直上が陥没する傾向にあり、新方式が求められる。
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成果の内容・特徴 |
- 本機は市販の畝立て成畦機に試作した作溝施肥装置を付加した施肥機を装着している。畝内に4条同時に局所施肥できる。作溝施肥装置は4本の直管パイプ形状で先端吐出部は逆漏斗状で後方に向け開口している。施肥タンク容量は100Lで、調量繰り出しロール、漏下ホース、作溝施肥装置を経由して、肥料は畝内位置に施肥される。(図1、表1)
- 畝立て同時作条施肥機(トラクタ出力=15kW)の作業能率は、作業幅125cm、作業速度0.24m/sで10a当たり約1.2時間である(表2)。この速度では最大290kg/10aまで施肥可能で、一般的な施肥量を施用するのに十分である。
- 成形された平高畝形状は畝幅110cm、谷溝幅15cm、畝高さ28cm、施肥位置は図2のとおりである。施肥深さ・左右位置は吊り下げ位置で調整できる。4本に分けた作溝部分(直径4cm)の抵抗は小さく、その後の畝表面の沈下はほとんど認められない。
- 初冬出しキャベツの作条局所施肥法では、有機質肥料を用いて窒素33kg/10a(局所基肥+追肥)水準で栽培しても、Lサイズ(出荷規格)が得られる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 2~5条栽培の葉菜類で適用できる。施設栽培チンゲンサイで減肥効果を確認している。
- ほ場内を試走して走行速度を調べ、施肥量を調節する必要がある。
- 試作機の製作は(株)ヤンマー農機が中心となり実施した。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
キャベツ
施設栽培
出荷調整
施肥
チンゲンサイ
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